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渡辺一樹選手インタビュー③〜ヨシムラスズキモチュールレーシングについて〜

※このインタビューの動画をYouTubeにアップしています。是非そちらもご覧ください!



渡辺一樹選手Twitter: https://twitter.com/kazuki__26
渡辺一樹選手instagram: https://www.instagram.com/kazuki__26

ヨシムラ公式サイト: https://www.yoshimura-jp.com/


こんにちは、Ami.Uです!


この記事は主に日本国内のレースでご活躍されているヨシムラスズキモチュールレーシングの渡辺一樹選手にインタビューさせていただいた内容を文字起こししたものです。
大変お忙しい中、このようなインタビューに快く応じてくださった渡辺一樹選手、マネージャー様、本当にありがとうございました。

このインタビューは
全日本ロードレース選手権について

鈴鹿8時間耐久ロードレースについて

ヨシムラスズキモチュールレーシングについて(今回)

渡辺一樹選手について
の4弾に分けて公開させていただきます。

今回はその第3弾、「ヨシムラスズキモチュールレーシングについて」。国内外で長年活躍してきた名門ヨシムラやスズキのマシンなどについて、わかりやすく教えていただきました!ぜひ最後までお読みください!



Q1.ヨシムラスズキモチュールレーシングはどのようなチームなのですか?

いわゆる80年代、90年代の、バイクレースのピークの頃を知っている方にとってはおそらく説明は不要かなと思うので、10代、20代の、その時代を知らない方にわかりやすいように説明します。赤地に白文字で「ヨシムラ」と書かれた長方形のステッカーをよく見かけると思いますが、そのチームです。九州で創業者の吉村秀雄さん、通称ポップ吉村さんが戦後間も無くからアメリカ兵からバイクや車のエンジンチューニング(注1)を依頼され、その腕がすごく評判になったというのがスタートだそうです。元々日本軍にいたときにメカニックをしていたそうで、そのノウハウで非常に高性能なエンジンチューニングが有名になったそうです。それ以降、「エンジンチューニングといえば」というような代名詞がずっと続いています。また、鈴鹿の8時間耐久ロードレースに第1回から今年の43回目まで(注2)ずっと参戦している唯一のチームで、非常に歴史が長く、深いチームです。僕も2018年からこのチームに所属させてもらっていますが、この「ヨシムラ」という名前の重さをすごく感じています。ファンが非常に熱くて多いので、「ヨシムラ」という名前の大きさに恥じないようにレースをしています。各メーカー、ファクトリーチーム(注3)というものが存在していますが、そこから独立して「ヨシムラファクトリー」なんて表現がされるくらい、非常に強いチームです。

注1:エンジンチューニングとはエンジンを調整して性能を上げる作業のこと。

注2:今年の鈴鹿8耐は残念ながら開催中止となりました。このインタビューを行った時はまだ中止が発表されていませんでした。

注3:メーカーから直接サポートを受けているチーム。


ヨシムラについては、町工場からスタートして世界に出た、というフレーズをよく聞きます。

本当にその通りで、「ヨシムラ」という4文字は世界のどこに行っても通じる言葉です。


ステッカーのパロディのようなものもよく見かけます。

僕がその立場で言ってはいけないのかもしれませんが、色々なバリエーションがありますよね(笑)。まあそれも含めてやっぱり、一流は真似されていくものです。そういう意味でも、知られた名前ですね。



Q2.スズキのマシンの特徴を教えてください

なかなか言葉で表現するのは難しい部分です。過去に色々なメーカーのバイクに乗ってきていますが、「丸いバイク」だな、というのが自分の中での印象です。丸いというのは当然見た目の話ではありません。パワーがすごく出て直線が速いとか、コーナーをすごく速く曲がれるとか、減速がスムーズにできるなどといったバイクの性能をレーダーチャートで表したときに、その形がすごくまん丸なんです。バランス良くバイクを作っているメーカーだな、というのを感じることが本当に多いです。だから僕的に、一言で言うと「実直」という言葉がすごくスズキのメーカーに当てはまると思います。妥協がないんですよね。市販車というのはコスト面など、色々な制限がある中で作られている乗り物です。例えば、200万円で売るものに300万円のパーツは当然付けられません。そのコストに見合ったパーツを付けるのですが、ただ付けるのではなく、そのパーツを付けた時にどうやってバランスを取ろうか考えている姿がはっきりと思い浮かびます。適当なことをしていないんだな、と感じるバイクが多いです。250ccから1000ccまで、スズキのバイクを何種類か乗らせてもらっていますが、どのクラスのバイクに乗ってもそれを感じることができます。


では最初から乗りやすいバイクなのですか?

乗りやすいです。そこが武器だと思います。本当にトゲがなく、パッと乗ってもすんなり体が馴染んでいくようなバイクです。



Q3.チームとしての目標を教えてください

耐久レースによりフォーカスしたステップを今歩もうとしている時です。スプリントレースだけの時と違い、耐久レースはよりチームスポーツとしての色が強くなるので、チームが一丸となって、全員が同じ方向を向いて同じ場所に向かっていくということを大事にしたいなと僕は思っています。全員でチームなので、それぞれのターゲットや目標はあると思いますが、それが同じ方向を向いてできたらいいなと思います。

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