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HSPと私
私はHSPです。あなたはHSPを知っていますか?
HSPを知らないというあなたに、簡単にHSPとは何かを説明します。
HSPとはHighly Sensitive Personの略で「生まれつき非常に感受性が強く敏感な気質を持った人」という意味です。HSPは後天的なものではなく、先天的な気質であることが分かっています。そのためHSPは病気ではありません。HSPを持つ人口の割合は約20%と言われており、決して稀な性質ではありませんが、その種類や程度は異なるために人々から理解を得る事は簡単なことではないのです。
今回、HSPである私がHSPと私の色々を書けたらと思います。その中で少しでもHSP
という性質についてや私がどういう人間なのかを知ってもらえたら嬉しいです。
1 HSPとの出会い
私が高校2年生の夏の終わりのことでした。私は高校に入学してから友達は限りなく0に等しく、行事には参加できていないし、心身の疲れや病気から早退や休みを重ねていました。そんな高校生活も折り返し地点という頃に私の叔母さん(父の妹)の話を母から聞きました。母はこう言いました。
「あんたHSPって知ってる?今日叔母さんが家に来ててね、話してたんだけど、叔母さんがテレビを見ていて『これだ!私HSPだ!』って気づいたんだって。叔母さんは高校を中退してて、昔からなんとなく色々なことに敏感だったり疲れやすかったりしてたんだって。最近、テレビでちょうどHSPの紹介を見ていたらピッタリ当てはまったんだよ。それで叔母さんにはあんたの事を話してるから、叔母さんがあんたはHSPなんじゃないかって言うわけ。」
この時私はHSPという性質があることを知りました。ネットで調べていくうちに私はHSPであるという確信を持ったのです。
2 私のHSP
私が持つHSPの特性を箇条書きにしてみます。
・音に敏感、音が気になる
・明るいところが苦手、眩しくて目が開けられない
・刺激を求める
・疲れやすい
・自己肯定感が低い
・深く考えがち、洞察力や推察力に長ける
ざっと思いつくところではこんなところでしょうか。長くはなりますが一つ一つ詳しく書きます。
①音に敏感、音が気になる
ほとんどの人が黒板を爪で引っ掻く音に嫌悪を示すでしょう。それと同じように私はもっと多くの音に嫌悪感を覚えます。例えば、他人あるいは自分の咀嚼音や鉛筆で紙に字を書くときの音、教室内の空調や窓がガタつく音、人の話し声なんかがあります。気になってしまう音があるときは物事に集中できません。耳を塞ぎたくなります。指で塞いだって音は聞こえるから授業中なんかは特に辛いです。音が気になるから、私はイヤホンをして大音量で好きな音楽を流すようにしています。自分の行為から出る音が気になる時さえあるので、音量はマックスです。家族で夕食を取るときでもイヤホンと音楽なしではいられないので、団欒ができない点では親に失礼ではありますが、これは黙認してもらっています。
②明るいところが苦手、眩しくて目が開けられない
歩くとき、普通は前を見て歩きますよね。しかし私の場合にはそれは曇りや雨の日にしか出来ません。晴天の日に前を見て歩くには太陽は眩しすぎるのです。そんな私がどうやって外出するか。帽子をかぶって、出来るだけ下を向いて歩きます。出来るだけ日陰の道を通ります。下を向くというのは自分の靴を見るくらいの角度と思ってもらえればいいです。ショッピングモールも眩しいです。床が白いところが多いのが辛い原因です。白い床は光を反射するので、たとえ下を向いていても眩しいのです。室内でサングラスをするわけにもいきません。
③刺激を求める
HSPと聞けば、どちらかと言うと内向的で1人を好むようなイメージを持ちます。しかし、好奇心が旺盛で刺激を求める人もいるのです。私の場合では、気になっていた人と交流すること、大勢の参加するイベントなんかに好奇心を掻き立てられて刺激を求めます。HSPがそんな刺激を求めて普通でいられるのか。それは④で書きます。
④疲れやすい
①と②で書いたように、些細な事が気になる人間です。当然疲れます。土曜日の午前に散髪屋に行ったら、疲れ果てて帰ってきて日曜日まで回復を待ちます。疲れやすいと経験から分かっているから、極力疲れないように立ち回ろうとします。これがなかなか上手くいかないんです。予想外の事は常に起こり得るものですから、ルーティーン化した生活をしたくなります。しかし③で書いたように私は刺激を求める人間です。非日常を求めるわけです。「刺激が好きなのに、刺激は私を疲れさせる」のです。ここで大きな矛盾が私にあり、楽しみにしていたイベントに参加したのに思ったように楽しめず、疲労感だけが残ることがよくあります。刺激と疲労のバランスを取ることが今の課題になっています。まだまだ試行錯誤の途中です。
⑤自己肯定感が低い
HSPの私は揉め事があった時に相手に強く言う事が難しいです。この原因の一つにはその場の雰囲気や相手の心情を細かく感じることで躊躇ってしまう事があります。そうした時に「揉めたのは私の言動に問題があったのではないか」とネガティブな思考の連鎖に陥ります。このような経験が積み重なることで自然と、「自分はダメな人間」という考えが自分の脳に焼き付いてしまったのです。
⑥ 深く考えがち、洞察力や推察力に長ける
私には考える癖があります。何を考えているかと言えば、これから起こる可能性のある事象への対策や回避方法です。心配事の9割は起こらないと分かっていながら、残りの1割を危惧する心配性なのです。だから起こり得る事象について脳内で数百から数千パターンの未来を予想し、その中で最善の選択をすることを目的として意識的に深く考えるのです。これは⑤の内容とも少し被りますが、自己肯定感が低く「これ以上他人に迷惑をかけたくない」という考え方が根底にあるために引き起こされています。その前提にあるのか延長線上にあるのかは分かりませんが、洞察力や推察力に長けています。これは一見長所に見えますが、良いことばかりではないのです。なぜなら相手の気持ちや雰囲気という類のものを人一倍感知してしまうためです。相手の気持ちなど感じることもなく、もっと表面的に関われたらもっと楽なのに、と常々思います。
3 『普通』
先述の通り、私は決して社会の中で生きやすい部類ではありません。
だから私は『普通』の人になりたいです。マジョリティになりたいです。ちゃんと学校に行きたいです。行事に出たいです。友達と馬鹿騒ぎしたいです。ちょっと悪いこともしてみたいです。
でもなんででしょう。どれだけ頑張ったって私は『普通』になれないんです。『普通』ってなんだろう。幾度となく考えました。答えは未だに出せずにいます。「普通じゃなくたっていい、それがあなたの個性なのだから。」幾度となく、親や先生から言われました。しかし現実はどうですか?私からすれば『普通』は望むものでありながら恐怖です。『普通』は私を消しかかってくるのです。『普通』はそれ以外を排除しようとします。当然ですよね、異質なものであり狂気と見えるから。あなた達は悪くない。人間は動物だから、それが本能だから。
私は日に日に人が怖くなっています。私の何かがあなたを不快にさせないか心配だから。親でさえ恐怖を感じます。先生も、クラスメイトも。そんな中でも私に寄り添ってくれる親友がいます。それでも、どんな時も私と背中をあわせて戦ってくれる確信を持てないのです。私は親友が助けを求めるなら、命を捧げる覚悟があります。私にとって親友とは「それのために生き、それのために死ねるような存在」であるからです。
『普通』に生まれたならどんなに生きやすかったでしょうか。私が持つ、人にはない長所の価値なんて、『普通』の持つ価値よりずっとずっと低いのです。考えることは無駄だと分かっているのに考えることを辞められない程に、私は『普通』を渇望しているのです。
過去の偉大な思想家を見てください。ほとんどの偉人が『普通』ではありません。それ故に彼ら彼女らは思想を用いて、必死に自分をあるいは社会を変えようとしました。彼ら彼女らは苦しんでいました。『普通』になれないから。
私は数年前から思っている事があるのです。
いくら勉強が出来て、学歴があって、大企業に職を得ることが出来たとしても、友達と食べるファストフードの味に敵うものなんてありはしないと。
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