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絶叫マシン苦手族に捧ぐ対処法

おそらくこの記事を覗いてる方は、
私と同様に遊園地のアトラクション、
主にジェットコースターなどが
苦手な方ではないでしょうか。

"絶叫"というのは嫌な目に遭うとき、
不快な思いをした時にすることであって、
何故自ら進んでそんなことを、
ましてやお金を払ってまでしなければ
ならないのか。本当に理解が
できませんでした。

しかし、少し大人になっていくに
つれて、徐々にその醍醐味というか
魅力というか、何となくわかるように
なってきました。

いわゆる、
「へー、おもしれー女。」状態ですね。

今回はいかにして絶叫マシンが
苦手だった私が、一般程度までは
乗れるようになったのか、その対処法を
お教えします。




さて、早速ですが絶叫マシンの
対処法をお教えしましょう。







そんなものは御座いません。


ネットで調べると、背中をピッタリ
背もたれにくっつけるだとか、
しっかりと足を踏ん張るだとか色々と
出てきますが、正直そんな言われた
通りにできません。

カタカタと上がっていくコースターに
乗った以上、苦手族たちは無力。
対処法なんて既にもう
忘れてしまっているんですね。

では一体、何故私は乗れるようになったか。
その方法はたった一つ。


死ぬことです。
もちろん比喩ですよ。

このルフィの精神が大切。

まあ海賊でない我々一般市民は、
当然ながら日常生活において、
「あ、死んだ」という瞬間は
あまり訪れないと思うんですよね。

車に轢かれそうになったとか、
凍った地面で頭からこけたとか、
そういう危機が訪れたことはきっと
一度くらいは皆さんあると思いますが、
そんなに頻繁ではない。

ただ、ジェットコースターというのは、
そのを身近に味わえるお得な(?)
代物なのです。


ここで自分語りを少し。

幼少期の私は、非常に臆病で
何事にも本当にビビリでした。
暗闇、おばけ、速いもの、虫、そして
もちろんコースター etc...

遊園地というものにあまり
楽しさを感じたことはありませんでした。

しかし、少し状況が変わったのは
小学校高学年あたりでしょうか。

私の地元の近くに、今となっては
ホグワーツ学園の植民地と化した、
としまえんという遊園地がありました。

親からもらうお小遣いも少し増え出し、
友達同士で行く機会がありました。

さすがに仲間達で行くのに、
自分だけ「いや、自分イイッス...」
とはなれないわけで、仕方なく
乗ることとしました。

最初に乗ったのが、ブラワーエンジン
という青い機関車のコースター。

猛スピードで急カーブを繰り返すような
アトラクションですが、高さがそこまで
無いのと、落ちる時のあの胃がフワッと
浮く感覚というのはなかったので、
これはなんとか耐え切りました。

そして二つ目に乗ったのが、
アトラクション名は忘れてしまいましたが、
所謂渓流下りのようなやつ。
小さめのスプラッシュマウンテンですな。

これに関しては、最後の最後に
一度だけ落ちるというのがちゃんと
わかりきっているので、そこさえ
どうにかすればいける!というイメージ。

私は勿論事前の下調べとして、
どうすればあの浮遊感を軽減できるのかを
学び、その結果としては、
落ちる瞬間腹に思い切り力を入れる
というのが良いとわかりました。


腹を括り、いざ武蔵野の濁流を
流るる一隻のボートへ!

落ちるまでは当然余裕の船旅。
ここは練馬のヴェネツィアか?

しかしながら規模は小さめですから、
あっと言う間にクライマックスがやってきます。
待って!そんな早く来るなんて聞いてない!

でも大丈夫。今の私には対処法があります。
高所から落ちるその刹那、腹に力を入れる!

「あ、やべえう○こ漏れる、、」

そう。この腹に力を入れるという奥義は、
浮遊感を軽減する代わりに、社会性を
失うという諸刃の剣だったのですね。

ただ、結果として漏らす事はありません
でした。何とか名誉は守りきった。
そして、そこで私は気がついたのです。

「あれ!これ乗れるんじゃね!」

他のアトラクションに関しても、
この腹に力を入れるという対処法で、
比較的乗り切ることができました。

また、身体が成長してきたというのもあった
のでしょうが、その後は徐々に慣れ、
ディズニーランド程度のアトラクションは
どうにか耐え凌ぐことができるようにまで
成長しました。


そして、私のコースター人生に
第二の転機が訪れたのは、大阪のUSJ
訪れた時でした。

それまでに家族で訪れたりした事は
あったのですが、もちろん絶叫系には
乗りません。

灰原哀と化した当時の私


ただ、その際は友人と訪れており、
これまた逃れることができない
シチュエーションでした。

丁度我々が行った時は、新アトラクション
としてフライングダイナソーの運営が
始まった頃。

「これは乗るしか無いっしょ!」
と友人達に言いつつ、めちゃビビってました。

何故そこまで恐れていたのかというと、
調べていただければわかるのですが、
普通に座って乗るタイプのコースターでは
なく、無理やり空を飛ぶスーパーマンの
ような体制で乗らされるのです。

すなわち、これまでは地に足をつけて
乗れていたので、腹にも力を入れる事が
できていたのですが、このアトラクションに
関しては、完全に足元は宙ぶらりん。

すなわち、苦手な浮遊感を
全身でしっかりと浴びなければならない
という、トンデモ拷問器具でした。


運営開始からそこまで経っていない
ということもあり、なんだかんだ
2時間以上は待っていたような気がします。

そして、いざ対面の時。

おい、なんかもうそもそも乗る時点で
地に足がつかないじゃん!

こんなヒョロイベルトで人体を
支えられる訳ないだろ、、、
と、戦々恐々でした。

出発のブザーが鳴ると、座席が傾き、
先ほど言った姿勢になります。
少し救いだったのは、周りのお客さんも
結構ビビってる人が多かった事。

「お父様お母様先立つ不幸を...」

上昇している間、短いながら人生の
走馬灯がよぎりました。
その中にはう○こを漏らしかけた
あの日の自分も勿論いました。

やがて頂上に到達。
高すぎてあまりもう怖いとかの次元では
なかった気がします。

そして、落下。
この時にほぼ初めてに近いレベルで、
「あ、死んだ。」と思いました。
また、その落ちていく瞬間に、
自分でも驚くくらいの声で叫んでいました。
こんな声量出るんだ自分って!


でも、そのあとは浮遊感も無く、
本当に空を飛んでいるかのような感覚で、
めちゃくちゃ楽しかったです。

ここで、私はジェットコースターという
ものの楽しさをようやく知ったのでした。


ということで結論。
絶叫マシンを攻略する方法は、

①死を覚悟する
②思いっきりとにかく叫ぶ

この2点に尽きると思っています。
①に関しては、高さや傾斜がある程より
死を身近に感じれるので、その分終わった
あとの安堵や楽しさもひとしおですヨ。

最後に、せいぜい都内のコースター
ぐらいしか乗っていませんが、
特に死を感じることのできるものを
紹介します。



第3位 ローラーコースター (花やしき)

正直これに関しては、落ちる落ちないとか
高い低いとかの問題じゃなく、単純に
老朽化が恐怖。

軋むような音や、なんか部品が落ちてるような
音(多分気のせい)がしっかりするので、
ベクトルの違う恐怖を浴びたい方は是非。



第2位 バンデット (よみうりランド)

シンプルに見た目の暴力がすごい。
こんなとこから人間を落とす必要がないよ。
また、バンデットの何が凄いって、
最初だけじゃなく、何度も何度も
こちらの胃を浮かせようとしてくるところ。


第1位 サンダードルフィン (東京ドームシティ)

よくもまあこんなビルの立ち並んでる都会に、
こんなコースターを設計したなあと
つくづく思います。

スピードや高さもさることながら、
何よりも東京ドームでイベントがあった時の、
向こうから聞こえてくる悲鳴の数々。
あれが恐怖心を増幅させている気がします。


ということで、絶叫マシンが苦手な
皆様に向けてこのような記事を書きました。

正直乗れなくても何一つ困る事は
ありませんが、、、

もし死を味わいたくなったら、
ジェットコースターに乗ってみては?

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