あの焼き鳥屋の煙は
駅からの帰り道にある焼き鳥屋さんがいなくなった。
代わりにベトナムだかネパールだか、とりあえず東南アジアのどこかの国のレストランの看板が取り付けられていた。
夕方にはワゴンで屋台を開き、
犬と散歩がてらに行けば味なしのお肉を焼いてくれて、
学校から帰ってくればお帰りなさいと煙の中から声がして。
特段好きでもないこの町で、少し心が跳ねる瞬間のひとつだった。
蒸し暑い夕方、長い長い坂を下りながら、この町も変わったななんて一丁前に思い耽ってみたり。
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