いわゆる夏日

どうしようもなく楽しみな日の朝は湿気の匂いと日焼け止めの匂いがする。

プールの授業がある日、遠足に行く日、運動会当日の日、海に家族で行く日。

日陰に隠れていた草木や土が火に照らされて喜んでいる匂い。

どうすることもできない高揚感を隠しきれないまま、平静をなるべく装って目的地に向かう足取りは言葉通り浮き足立っていて。

そんなかつてを思い出す香りはだんだんと暑さから疲労感を覚えるようになってきた季節に強くなり始め、少しの緊張感と何か楽しいことが起きるんじゃないかという期待感の錯覚を1日の始まりに与えてくれる。

それだけで疲労感なんてものは吹っ飛んでしまうのだ。

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