父の頭に手を置く

父の髪の毛を切った。

いつもは元美容師の母が切っていて、もう少しで母は帰ってくるから私がやる理由なんて一つもない筈なのに何故か頼まれた。

父の頭を触るなんて初めてだと少しドギマギしつつも、目線や感覚に何処か懐かしさを感じている自分に疑問を抱く。

ああ、そうか。
うんと小さい頃の、肩車の記憶だ。

同じ目線でも楽しませてもらっていたあの頃とは違って、自分も何か出来るようになったんだなぁと少し誇らしく、不思議な気持ちで。
ちょっぴり照れくさくて。


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