引っ掛かっていたのは、

「勿体無い」という言葉だった。
「お前の居場所はここにはない」と言われているように心のどこかで感じていたのだろう。

学校出ているのに、稼げないのに、なんでこんな仕事を、後悔しないといいけど。
こんな言葉を言うのは私が魅入った世界にすでに足を踏み入れている先人たちで、私が憧れと尊敬の眼差しを向ける人たちで。
謙遜か、優しさか、それとも単なる疑問か、いずれにせよ尊敬されるに値する自分自身の否定を含んだその言葉は、私にとっての最大の否定なわけで。
だからなんでこの道を選んだのか?と問われる度に、何も迷いはないのに声を大にして言えなくて、なんだか悲しくなるのだ。

それもこれも、自分の力量不足であることは分かっている。だからと言って焦る必要がないことも分かっている。
その言葉を言われなくなるくらい、自分のペースでもっともっと突き進んでいくしかない。
勿体無いか、後悔するかなんて私が決めんだ。

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