夏は得意じゃないけれど

夏はあまり得意ではない。
痛いくらいの日差しとか、身体中の水分持っていかれていく度に勝手に体力も消費されることとか。

本来なら秋が来ている頃なのに、あんたが居座り続けてるせいで来ないじゃないか。しかも年々居座る時間長くなってないか?と、寒すぎるくらいの電車の中で八つ当たりをしながら帰路に着く。

あぁ、電車を降りたらまた身体中から水分が持って行かれるのか…家に着く頃にはへとへとなのか…と憂鬱な気分のまま駅に着いてしまった。

勢い良く開いた電車のドアから生温かい風がぬるっと入ってきてまとわりついてきて、うわぁと思ったのも束の間。

焼きたてパンの匂いがもわっと嗅覚を刺激してきて、これなら夏の生ぬるい風もまあ許せるな、なんてちょっと偉そうに思ったり。

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