養鶏に新時代が来た(読書マラソン1/35)
11月19日から12月31日までに、2020年に読み残した35冊の農業の本を読み切るというミッションを自分に与えました。
僕はサボってしまう人間なので、ちゃんと読んだよっていう意味も込めて、noteに書評を書こうと思います!
35冊中1冊目。残り42日。
1冊目は、
養鶏に新時代が来た
養鶏を始めたということで、養鶏関係の本を読みたいと思って買った本。
おすすめ度は、★☆☆☆☆
込み入った話が多かったのと著者の文の言い回しがちょっと周りくどくて、あんまりおすすめできない本だったが、全く為にならなかったというと意外とそうではなった。
この本を読んで為になったこと紹介したい。
食料自給率について
平成28年の農林水産省公式ホームページには鶏卵の自給率95%、鶏肉の自給率67%となっている。
ただ、この本では、この数字を生み出しているトリの元となる鳥はほぼ全て輸入によっていると理由で、これは真の自給率ではないと言っている。
鶏は、エリートストック→原々種鶏→原種鶏→種鶏→コマーシャル鶏(市場に出回る肉や卵を生産する鶏)という感じで、エリートストックの子供の子供の種鶏からできたものが市場に出回っている。
現在の日本では、種鶏をほぼ全て輸入に頼り、日本で生まれた商業用の鶏肉を生産する子鶏(コマーシャル鶏)を自国産としている。
問題は、これらの種鶏や原種鶏は海外企業により使用法が限られていて、輸入した日本が好き勝手できないようになっている。
大元を輸入に頼ってないデータを鶏卵では6~7%、鶏肉は1~2%程度
しかも、鶏の餌となるともろこしは、ほぼ全て海外から輸入したものだ。
海外との貿易がないと成り立たないこの構造に筆者は問題提起をしている。
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ところで、世界には300ぐらいの鶏の品種があると言われている。
日本にはなんと45品種もいる。
そのほとんどが観賞用で、食用で品種改良された海外のものと比べて、その食用としてのスペック(特に量)は劣るので、一般の方はほとんど知らない。
びっくりしたのは、地鶏と言って売られている鶏は、実は厳密にいうと地鶏でないことが多いということ。
日本古来の品種だけじゃ、量が落ちるので、日本のものと海外の食用に品種改良された鶏を掛け合わせたものを商業的に地鶏と読んでいるものが多い。(という主流?)
そんな中、唯一国内産と言えるのが、ゴトウ種鶏場のもみじとさくらだ。
ちなみに、うちの養鶏場ではもみじを育てている。
このゴトウ種鶏場は70年の老舗で、4代での試行錯誤が紹介されていた。
信念を持って貫いた後藤さんが日本の養鶏に与えたインパクトは計り知れない。
自分も何かに影響を与えられる人になりたい。
また、アニマルウェルフェア(動物福祉)についても言及されていて、海外の同行が紹介されていた。
ここは、僕もオランダにいたからわかる。
人間が一方的に、自然からテイクする農業は終わったと思う。
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鶏肉も鶏卵も日本人の食には欠かせないものになっている。
でも、海外との貿易がないと成り立たないものになっているということに少しの危機感を持った。
農家という消費者の安全で豊な暮らしを提供する役目があるものとして、その課題とどう向き合って、どう取り組むか。
信念を持ってやっていくことが非常に大切だと思った。