海馬の負傷
忘れられたはずの記憶が性懲りも無く僕を追いかけても
もし、巻き戻せたらって考えることはもう本当に、どうしようもなく、どうしようもないことで
貴方に出会ってしまったから
何かの間違いでそうなってしまったとしたら
引き合わずに生きる可能性を生み出すことなんて、きっともうできない
葉の色が今日も移ろうように
君の記憶を失っていくことに幸せを感じるなんて、いつかのあたしはきっと信じたく無かったな
幼くて、言い訳できないほどの恥ずかしさをきっと忘れていてください
君だけが覚えているなんて完全に許されるはずないんです
それなのに、君の記憶だって移り変わっていくというひとつの事実が今日もあたしを殺すのです
いつだって前だけを向いている人なんてきっとつまらない人間なんでしょうって笑ったしょうもない貴方の毒が今日も僕の脳を回ってどうにも、上手く動けない
過去に戻れるとしたら、どうしますか
戻ると即答できるのも、戻らないと即答できるのそれぞれに強さがあると思う
戻りたい、消したい過去をたとえいくつ持っていたって戻ってしまったら完全に同じ今に戻ることなんて絶対にできないから
わたしはいつだって好きな人が過去に戻りたくない理由になれたらって思うんです
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