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高尾・手コキ・タクシー    

*体験談
*4年間前の話なので、多少脚色をいれてしまってるかも、しれませんが、ありのままです。
*最近勘違いされますが、同性愛者ではないです。

皆様は終電を逃した事はあるだろうか?
厳密に言うと寝過ごした事である。

私はある。
東は千葉稲毛、西は山梨県の県境。

7時に電車に乗ったのに、13時にホームで
倒れていた時は、あの満員電車をどう乗り切ったのか?と疑問に思ったことがある。

多くの場合は私は中央線で帰宅する。
その日も、泥酔した私は意識が混濁した状態で
中央線に乗り込んだ。

多くの場合、中央線の終電というのは
“高尾”という駅に向かう。
高尾という駅は、東京都の西の遠くにあり、
高尾山などが有名な、いわば皆が想像する
“東京”とは程遠い様相を呈している。

その日目を覚ました私が起床したのも高尾だった。
駅員に肩を叩かれると、見覚えの無い駅。
最寄でないことを確信し、駅を出ると
10から20人が屍のようになって電車を出て行った。恐らく皆、寝過ごしたのだろう。

改札をくぐり、駅を出ると普段の“東京”
とは程遠い駅前、
3、4人がタクシーに並び、

私のような貧しそうな見た目の人間はベンチで
死体のような顔で朝を待っていた。

私もその一人だった。
財布の中から電車賃を
引けば残る金銭は数百円。
携帯の充電もなく
駅前で酒盛りの続きを一人で行うか、
朝が来るのを辛抱強く待つかの、二択であった。

私は酒盛りの続きを決行する事を決意した。
朝までの時間はシラフで過ごすには長すぎたからだ。

再び酔いが周った。

数十分後、おじさんが声をかけて来た。

一緒に飲む相手でも探してる、屍仲間か?と
振り向くと、そこにはスーツを来た齢50-60の
おじさんがいた。

話を聞くと、タクシー運転手らしい。
高尾は終電で流れ着く人が多く、長距離の移動が
多いから売り上げを上げるチャンスだと。

遠回しにお前もカモだよと言われてるようで
嫌な気持ちになった。

話を進めるうちに、
「坊主、今駐車場にタクシーがあるんだが、
最寄りまで送っててやろうか?」と提案された。

一瞬驚いた。
高尾→最寄りまでのタクシー代は7千円くらいだったと思う。

泥酔して、駅前で黄昏る俺を可哀想に思ったのだろうか?
少なくとも人の温かさに一瞬感動したのを覚えている。

「良いんですか!?」と答えると、

良いんだけど、代わりにさ

「ちょっとちん棒を触らせてくんねぇか?」
(削除対策)

と提案された。

なるほど。
なるほど。

こいつは、俺の事を性的に見てたんか、と。

逆に驚きが勝ったが、泥酔した俺は
とりあえずどこのフェーズまでかを聞く事にした。

ピンサロ嬢が一番嫌なのはキスと謳うように
見知らぬ5、60のジジイに唇を奪われるなら最悪良いが、
舌を絡められた日には今後3年は思い出すに違いない。

高尾→最寄りまでのタクシー代が七千円な事を
考えると、これは七千円でどこまで尊厳を
捨てられるかのデスゲームである事に気がついた。

と考えた時にだ。

一瞬唇を重ねる行為から生じる嫌悪感は
七千円よりは安価である。

舌を絡められた時の嫌悪感は
七千円より高価である。

私にとってちん棒を触られる嫌悪感は
七千円より安価であった。

私はこう続けた。
「触るってどこまでですか〜笑」

私の良くない癖が出た。
私は年上のジジイに良くされると
可愛こぶってしまう節がある。

女にはそのような態度を取れないのに
どうでも良いジジイには取れるのである。
これが俺の人生をめちゃくちゃにして来た。

私が案外乗り気なのを見ると、
タクシーの運転手はこう重ねた。

「いやぁまぁ最後までかなぁ〜、笑」

あ〜、なるほど。
俺が想定してたのは、ちん棒を「ペペッ」と
触るだけかと思ってたが、どうやらこいつは
発射までを狙っていたらしい。

いや冷静に考えてほしい。

50代のジジイの手コキでどう考えたら
発射するのだろうか?

仮にこいつが、手は4本、指は10本、関節6つで
汗腺からは常に媚薬まがいの液体を噴出して、
人間では考えられない千手観音手コキの持ち主でも無理な自信がある。 おっさんだから。

私は即座に
「いいですよ〜」

と返答した。

理由は二つ。
一つ目は明確に私のちん棒に7千円の価値がない事。
ピンサロに行けば、5千円で可愛い女性が
乳を出し行為を行う現代日本。

それより醜い私のちん棒に7千円の価値は無い。
と判断したが故である。

2つ目は感動である。

前々からnote上で述べているが、自己肯定感の低さ故に、ジジイであろうが自身に七千円という値をつけられた事が少し嬉しかった。
重ねて言うが、私は普通に女性が恋愛対象である。

同意した私とジジイはタクシーまで向かう事になった。

途中でタクシーの運転手の話を聞いていた。

俺は両刀使いなんだよなぁ、!

と彼が言っていた。意味は分からないが
多分男女どちらも行けるという事だろうか?

両刀だとチン棒が2本になるだけじゃねぇか..
まさに今この状況だよ...と脳内でツッこんだのを覚えている。

会話が進むにつれて、どうもこいつは
俺もLGBTかなんかと勘違いしてる節があるなと
感じたので、一つ確認をした。

「いや、俺普通に女の人好きなんで
おっさんにされても反応しないけど
大丈夫すか?」

その瞬間、空気が変わったのを覚えている。

おっさんは打ってたパチンコ台の確変が終わった時のように、目つきが変わり
「は?、じゃあ無理だよ、無理無理」と
足早に消えていった。

そうか。
いや、確かにちん棒触らせてくれって言って
ノータイムでオッケーする奴いねぇもんな。

勘違いしてたのか、そうか。
じゃあ俺のちん棒に七千円の値つかなかったって事か。

勝手に振られた気分になった。
ヤリ捨てされたってこんな気分なんだろうか?

相手おっさんだし、何もしてねぇけど

後日、友達にこの話をしたら
高尾の終電後ベンチで寝てたら、男にケツを
触られたって言って来てさ。

同じやつかな?

もしかしたら終電逃した大学生を
狙って、高尾にいるのかもなって。

まぁでも今なら言えるな。
もう一回会ったらさ、次はこう答えるんだ。

今なら1980円!1980円ですよ〜‼️

巣鴨のピンサロくらいの相場にしとくからよ
次はよろしくな。

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