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ジュゴンの肉

 実在しない高橋留美子原作のアニメ「Quen Sistar」を夢の中で視聴した。青い髪の姉妹が主人公で、姉は長髪、妹は短髪。基本的に仲が悪いが、学園ラブコメをこなしながら刀を手に異形と戦っている。「昭和の匂いをプンプン残してるな〜」と感想をツイートしたら「そりゃ昭和の作品だからな」と友人から指摘を受け、ショックのあまり中途覚醒した。「でも、もしかしたら本当にあるのかも」と考えて、スマホで検索したが、ヒットせず。上坂すみれのラムちゃんはどんな感じなんだろう。再び眠りについて、違

    • ビューティフル・ドリーマー

       どこを見ているか分からない目は疲れと余裕のなさを感じさせ、手入れを怠っている眉毛と長年の不摂生によりだらけきった頬肉で実年齢より老けて見える。それでいて、顔全体には幼さやあどけなさが残り、人生における苦労や努力、成功体験が他人よりもはるかに少なかったことを如実に物語っている。そんな男たちが世の中に存在し、うち一人は多分、私なんだと洗面をするたびによく思う。 「私たち、マブダチですからね」  仰向けになった私の上に乗った赤いネグリジェ姿の後輩は、確かにそう言っていた。後で

      • ウェンディは主人公しか救わない

         まだ寒い時期、敷く用の電気毛布にくるまってパンツ一丁でスマホをいじっていたら、やっぱり寒かったのでパジャマを着た。電気毛布はいつまで必要だろうか、と思っていたら、妹は毛布が好きだったことをふと思い出した。  妹は確か中学生くらいまで、寝てない時もずっと白い毛布を手にしていた。やわらかい白い毛がたくさんついていたから「ふわふわ」と呼んでいて、妹はその毛布で口元をさすることを好んでいた。  食事中は毛布が汚れるというので親が取り上げたら、泣くこともあった。私が毛布を投げてぞん

      ジュゴンの肉