Maker Faire Bay Areaに行ってきた(2024)
「Maker Faire Bay Areaはすごいぞ」と複数の人から聞いて俄然気になっていた。
出発前
複数の人から「すごい」と聞き、まえこっかくのSUZUKIさんのお話&お写真(*1)からも「なんかすごそうぽんな…」と思って興味があった。しかし①サンフランシスコの治安激悪化の話題や②会場のアクセスが独特な点が気になり、フッ軽になりきれずキョロキョロと日本発勢を探していた。
同時に参加助け合いDiscord(*2)もウォッチしていた。そこで、サンフランシスコ国際空港(SFO)まで行ってしまえばバンクーバーからSFO入りして参加するJA1TYE/Ryota Suzukiさん(*3)に便乗し、さらに在米のRyuさんやseigotさんたちと合流して頼ってなにやらこのタヌキでも行けそうな光明が見えた。それで参加を決意。ここで我が伴侶も「休みがとれそう。行こうかな」となり結局は日本から2名という心強い体制(ひのきのぼう)で向かった。
会場アクセス
事前情報では、SF - Vallejo - Mare Island(会場)を結ぶフェリーがあり、SF市街に宿をとってフェリーで会場を行き来するのがよさそうだった。だが自家用車を持つ在米勢には「フェリー? そういえばあったかも」くらいのレベルでピンとこないルートのようだった。実際はVallejoでみんなでAirbnbに泊まりそこと会場がある対岸の半島Mare Islandとの間はクルマで移動した。
ちなみに帰国の日はAirbnbからVallejoの港までクルマで送ってもらい、このフェリーでSF港に行った。Richmond–San Rafael Bridgeをくぐり、アルカトラズ島、ゴールデンゲートブリッジ、SFのビル群……景色がよくて楽しかった。(しかし一人フェリーで参加ができたかというと色々心許なかったと思う。)
Maker Faire Bay Area 2024
もう800字書いてしまったがやっとMFBAである。
雲一つなくまさに快晴。陽射しがからりと強く、風が少し涼しい。
会場は"Mare Island Naval Shipyard"、もとは海軍系の船を造ったり修理したりする場所だったようだ。大物が入りそうな倉庫様の建物が並んでいて、その中に展示ブースが並ぶ。
その外、ナパ川岸沿いの通路はしっかり広い。ここにもいろいろと展示物があったり、ステージがあったりした。夕方にはこの通路でパレードが行われた。
上記通路側を倉庫の表と見た場合の、倉庫の裏側にもこの通路よりは狭いが展示スペースがある。会場全体はかなり広い。
全体の印象:でかい、走る、大胆
展示物がでかい。クルマくらいのサイズがゴロゴロしている(クルマもなぜか十数台が岸に並んでいて圧巻だった)。見上げるような大きさのものも少なくない。
展示物が走る。MFBA名物なのだそうだがカップケーキの乗り物があり、結構な速度で人の隙間を縫うように軽快に走っていた。それ以外にもさまざまな姿かたちのモビリティがうようよいる。
展示物以外でも電動一輪車を乗り回す人や、買い物カートのようなものに穴をあけてすっぽり入り込んで乗っている人などいて、なにか自分の足で歩くとまずいのか、乗り物に乗る呪いかというほど、モビリティへの強い熱意を感じた。
展示物が大胆。
火の玉をゆらゆら振り回していたり、ばかでかい蒸気機関を動かしてそのエネルギーでなぜか水を溜めていたり、108本ものペットボトルのコーラでメントスコーラしたり、なんかもうちょっと意味不明である。しかし(おそらくは誰しもの)胸の奥にある原始的なおかしさというか子供心のようなものをくすぐられてなんだか笑ってしまう。
時期がハロウィンだからか、ホラー味のある不謹慎なジョークのような作品もちらほら。そういうものにもいい年して「ふふへ」など笑いが。ミニカーのルートの障害物がポップコーンだったり(メントスコーラもそうだが)食べ物で遊ぶなと日本では怒られそうなものも。非日常・超越的なお祭り雰囲気がとても愉快だった。
参加者は老若男女
出展者も観覧者も年齢は幅広い。キッズから、欧米の方の年齢はわかりにくいがおそらく「おじいさん、おばあさん」な世代の方まで。
観覧者は大人一人、二人もいれば、家族みんならしきグループ、学生が友達どうしで集まったようなグループも。気安く遊びにきている雰囲気でとてもよかった。有料だし(MFTokyoよりだいぶ高い)、アクセスもあまり容易でない気がするが、MFTokyoより裾野広く「開かれている」感があった。観覧者の駐車場から会場までのシャトルバスは長蛇の列だった。
出展おじゃましました
seigotさんがChallenge Club/SFベイエリア付近日本メイカーコミュニティ/からあげ帝国/つくろか!3の展示をされるという。既にわちゃっとされていたから、スタヌキチャンもわちゃっと混ぜていただいた。
出展情報(*4)に「Let's go to the Japanese Maker Faire together」とあったため出国前に日本のMaker Faireマップを作り(設定を誤りとても焦げた)、それも置いていただいた。
スタヌキチャンと、そのそばにミニスタヌキ面を置いていたら、スタヌキチャンの上部の溝にお面を入れようとする人が続出。全然思いもよらなかったのだが言われてみればそうしたくなる態様であった。
「スタヌキチャーン」と呼んで(おそらくパネルを読んで)くれる方もいて嬉しかった。
お近くには同じく日本関連「RumiCar」、「AfterAI」も。両者とも栄えあるMFBA Editor's choiceに! おめでとうございます!
ちなみにこの翌週にRumiCarは大阪・つくろか!3と愛知・わくわくワールド、AfterAIはイタリア・Maker Faire Rome出展。驚異である。
また、おなじみRaspberry Piもご近所だった。説明員の方が「東京に大きなFabがある、日本最大じゃないか」とおっしゃっていた。DMM.make AKIBAのことだった。クローズを伝えるととても残念がっていた。
(Fabといえばベイエリアにもたくさんあるようでそれらを紹介する展示もあった。)
説明いらずの、シンプルで面白い展示
蓄光シートにお絵かきしたり、白色光に色水のペットボトルを指してカラフルに光らせたり、シンプルだが体験が面白い展示も目立った。床の穴から、ミラーでどこまでも続く階段が見える展示もよかった。出展者らしき人は不在で、みんな勝手に触ったり覗いたりして楽しんでいた。
Makerイベントは作り手との会話が大きな醍醐味だが、放置は放置で、ひとり「なるほど」と思うのも「ううむ何なんだ?!」と戸惑うのさえなかなか楽しかった。こういうところもゆるく、のんびりした雰囲気だった。
カメラ系の展示もいくつかあり、タヌキも2か所で撮ってもらい写真を貰った。これは有人だがほとんど話さなくともわかって楽しめる。思えば話さなくても楽しめる展示が多かったかもしれない(子どもが多いから? 説明不要なので回転も速い)。
メントスコーラと理科実験先生
メントスを入れられる百本超のコーラ、準備も大変である。
本番はまさに熱狂。出遅れるとステージがよく見えないほどの人垣が。全然近づけず(近づいたらコーラがかかって大変なことになるが)吹き出るコーラを遠目に写真におさめた。
時間をずらして、倉庫ではでん○ろう先生みたいな先生が理科実験を披露していたようだ。ようだというのは、こちらも人垣越しでまったくよく見えなかった。こちらも大盛り上がり。
(例外的に)小さい物がよい世界も
「大きさは正義」みたいなお祭りだが、ドローンは違った。障害物を避けて飛ぶレース。数年前のMFBAを見たという方が「ドローンも大きかったし、フィールドももっと広かった。あんなに小さくなっていてびっくりした」とおっしゃっていた。さすがにドローンは小さい方がよいらしい。
自動テキン
なんと車輪がくるくる回って、自動でインキ台にインキを載せ、印刷する活版印刷機。
タヌキはテキン(勿論手動の)のある画廊で猫画個展をしたときに、ご来訪の方々にテキン体験してもらったことがありとてもよかった(しかし閉廊してしまった)。こんなのでデモ展示できたらかっこいいぽんなあ。
フード事情
会場には原則食べ物の持ち込みができない。飲み物もペットボトル1本程度の水のみ。持ち物検査はなかった。
岸沿いの通路に、テントのお店やキッチンカーがいくつか出ていた。ものすごい量のポテトが揚げられていた。ポンプディスペンサつきの大きなマスタードボトルが置かれていたのも印象的。
窯つきという本格キッチンカーのピザ屋があった。ここの箱はところどころのブースで見掛け、道行く人が持っていて、大人気だった。
物販
物販コーナは屋外テントと倉庫内と少なくとも2つはあり、しかも商品はそれぞれ一方にしかないものもいくつかあるようだった。Tシャツやパーカーは30~40USDほどで、飲食系の高値に驚いた後ではむしろ安くて驚く。
日本で両替したお札で払うと「just printed!」と言われた。Makerぶって何か上手い返しをすべきだったかもしれない。
「Maker Faire Bay Areaはすごいぞ」
5,000字くらい書いている。あれもこれもと思い出し写真を選びしていたらいつのまにか数時間経っていて驚く。
このあたりで筆を置きます。楽しかった!
読んだあなたが、MFBAが気になってしまうことを願って。タヌキもまた言おう、「Maker Faire Bay Areaはすごいぞ」。MFBA2025行きたいですぽんね!!
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