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自己紹介バッグ購入記

2024年2月4日、立春。
自問自答ファッションに出会って約1年半、とうとう自己紹介バッグを購入した。

購入したのはTHE ROWのN/S Park Tote。
以下、購入までの流れや思ったことを書いていこうと思う。

自己紹介バッグに求める条件

過去に持っていたバッグの振り返りや試着の旅を通して、自己紹介バッグに求める条件を整理した。

  1. いちばん多い時の荷物を入れてもゆとりがあること

  2. 肩掛けできること(斜め掛けはできなくてよい)

  3. やわらかくて傷が目立ちにくいレザーであること(シボ革希望)

  4. カジュアルにもきれいめにも持てること

  5. ブランドの主張がないこと

長いけど要は「サブバッグがいらない位の収納量があって、地元で持っても違和感なくて、都内の百貨店にも気後れせずに入れるバッグ」が欲しかった。今まで荷物が多い日は布のトートバッグで出掛けていたが、それで都内の百貨店(伊/勢/丹とかギン/ザシ/ック/スとか)をうろつくのは抵抗があったので、ちょっといい、もとい「ちょうどいい」バッグが欲しかった。

条件に合うバッグを探す中で目に留まったのが、THE ROWのN/S Park Toteだった。

画像引用元(公式通販サイトより)
<https://www.therow.com/ja-jp/products/medium-n-s-park-tote-black>

何かのファッション誌で「スタイリストが持ってるバッグ特集」みたいなのを読んでいた時に、「あれ、パークトートって条件すべて満たしてるのでは…?」ということに気付いた。
ミディアム以上なら容量十分そうだし、肩掛け可能だし、シボ革タイプもあるし、ロゴは目立たないし、カジュアルだけど端正な雰囲気がある。…私の探してたバッグ、まさにこれでは?
THE ROWのバッグは「人気がありすぎて人と被りそうだから」という理由で候補には考えていなかったが、急に第一候補に躍り出た瞬間だった。

と思いつつも値段が値段だから「条件をクリアしているから」以外の理由が欲しい。
「そういやTHE ROWってどんなブランドなのかよく知らないな…」と思い、ブランドの成り立ちやコンセプトをググってみたところ、下記のインタビュー記事に辿り着いた。

記事で一番刺さったのはこの部分。

私たちのクリエイションの核となっているコンセプトは、“あまり気にしなくても良いもの”。つまり、カジュアルな白のボタンダウンのように、汚れや破損を気にすることなく、気軽に使いこなすことができるものです。値段に関わらず、使いこなせてこそ本物のラグジュアリーなのですから

個人的にビビっときたワードを太字にした

私は服飾品は使ってなんぼだと思ってるタイプ。
棚に飾って楽しむという愛し方もアリだとは思うが、自分の場合は「高かったから…」「こんなブランド物だと目立っちゃうから…」という理由で使わなくなりそうなモノや、「傷や経年劣化は味にならなさそう…」と判断したモノは持たないと決めている。だから「値段に関わらず、使いこなせてこそ本物のラグジュアリーである」というオルセン姉妹の考え方にはとても共感した。

「これは試着したい…!」と思い、新宿や銀座に行く機会があるたびに店舗に寄ってみるものの、本命のミディアムサイズは在庫切れで全く出会えず。
スモールやラージは在庫アリの日があったので試着させてもらったが、

・スモール→私には小さすぎる。
・ラージ→身長とのバランスは問題ない。だが底が深すぎてモノが取り出しづらいのと、開口部がガバっと開いてしまうのが気になる。

という感じで、買うならミディアム一択だろうなと思った。
とはいえ実際に試着してみないと何とも言えないので、「あとは運よく実物を見られたらいいなー」とのんびり構えることにした。

…ここまでが去年の秋の出来事。
「2024年のうちにエンカウントできればラッキーだな」くらいに考えていたが、思っていたより早くその機会は訪れた。

思い立ったが吉日

2024年2月4日、立春。
この日は前日に親知らずを抜いて傷口が痛かったこともあり、もともと予定していた美容院に行った後は、近所で用事を済ませてゲーム(ペル■ナ3リロード)でも買って帰ろうと考えていた。
…のだが、美容院の待ち時間にインスタを見ていたらこんな投稿が。

「え、伊勢丹新宿でザロウのポップアップやってるの?しかもN/S パークトートもあるの?もしかしたらずっと在庫切れだったミディアムも置いてあるかも??
…とミディアム見たさで居ても立っても居られなくて、美容院後は新宿行きの電車に飛び乗った。

店頭に着いたのは昼過ぎ頃。
「もしかしたらもう売り切れてるかもしれないな…」と期待半分諦め半分だったが、あった。本命のミディアムサイズ、がっつりディスプレイされていた。
幸い特設会場は空いていて入場規制も掛かってなかったので、店員さんに声を掛けてバッグを持たせてもらった。

実際に試着した感想は「ああ、思った通りだな」だった。
入れたい荷物は全部入るし(実際に入るか試させてもらった)、底が深すぎなくてちょうどいいサイズ感だし、ラージよりは開口部のガバっと開く感じは気にならない。使い勝手は”思った通り”問題なさそうだった。
あとは決意的な意味でも。いちおうパークトート以外にも候補のバッグはあったが、先述のオルセン姉妹へのインタビュー記事を読んだ時点でもう心は決まっていたように思う。いつからか「よっぽど自分にとって致命的な何かがなければ、遅かれ早かれあのバッグを買うんだろうな」と何となく予感めいたものを感じていた。ミディアムサイズは初めての試着だったが、「ああ、やっぱり私はこのバッグが欲しいんだな」ということを確かめる儀式のようだった。意外と高揚感は無かった。

…と思ったのは本当なんだけど、実際に店員さんに言ったのは「ちょっと支払方法に悩んでて…これ取り置きはできますか?やっぱりできないですか…ちょっと考えてきます!」だった。
うーん、曖昧な返答。買うならエムアイカードを作ってからのほうがいいのか?とか悩みながら喋っていたらこうなった。
気付いたら入場待ちの列ができていてめちゃくちゃ焦るも、それでもカードを作りにいったん離脱した。
(「買う前にエムアイカードを作りたいので取り置きできますか?」と購入意思をもっとハッキリ伝えてたらもしかしたら取り置きしてもらえたかも…?いや人気商品だしやっぱ無理か。)

約一時間後、エムアイカードを作って売り場に戻ってきた。入場待ちの列は無くなっており、すんなり入場できた。
さっきの店員さんに「先ほどの者ですが、まだ在庫は残ってますか?」と話しかける。なんと在庫はラスイチだった。危なっ!
そのまま購入の意思を伝えてお会計。試着したときは心が騒ぐ感じは無かったのに、いざ会計になったら大金を使うことへの恐怖で内心ソワソワしてしまった。
会計後、近くのコーヒーチェーン店で一服しようかと考えたが、「こんな素敵なものをひったくられたらどうしよう?!」という気持ちが勝り、すぐに帰りの電車に乗った。
自宅の最寄り駅に着いた時にはさすがに落ち着いたので、駅の近くのコーヒーチェーン店に入り、買うまでの経緯や心の動き、店員さんに教えてもらったお手入れ方法などをスマホのメモに書き殴った。
(ちなみにここまでの内容はスマホのメモを見ながら書いている。ちなみにホントは「購入しました」写真も撮ろうと思ってたのに忘れた。てへぺろ)

購入後の自問自答

実はハイブランドのバッグを買うのは人生初めてだった。
実際に買ってみた感想は、「ハイブランドって遠い世界だと思っていたけれど、『欲しい』と思ってお金を貯めて機会を待てば買えるんだな」という感じだった。ただ妄想するだけではなく、現実に手に入るものなのだと。妄想と現実の距離は遠いものだと思っていたけれど、自分の行動次第ではその距離を縮めることができるのかもしれない。買い物に限らず、何事も。
…と、今回の買い物を通してそんなことを思った。

それにしても、数年前までは「人生でハイブランドのバッグを買うことは無いだろう」と思っていたのにまさか買う日が来るなんて。
なんというか自分の人生に「ハイブランドを買う」っていう新しい選択肢が出てきた感じだった。ゲームで特定の条件を満たすと選べるようになる選択肢みたいなイメージ。(某ソシャゲの赤字の選択肢みたいな)
あの赤字の選択肢に驚いたように、昔の自分がハイブランドのバッグを買ったと知ったらきっと驚くだろうなぁ。

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