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「ファストファッション クローゼットの中の憂鬱」を読んで服との付き合い方を考えてみた

エリザベス・L・クライン(訳:鈴木素子)の著書「ファストファッション クローゼットの中の憂鬱」を読みました。

格安ファッションのスピード生産・大量流通の裏には何があるのか。わたしたちの果てしない物欲が生みだす、いびつな実態とは。驚くべき消費社会の最前線に身一つで迫ったルポルタージュ。

内容(Amazonの商品紹介より)

ファストファッションって安かろう悪かろうみたいなイメージがあるけど、実際のところどうなの?と思いこの本を読んでみることにしました。
本の題名は「ファストファッション」と銘打っていますが、格安服だけでなく高級服や古着などファッション市場全体に焦点をあてた内容となっていました。

読んだ感想としては「ファッション業界も色々問題抱えてるんだなあ…」という感じでした。安い服=製作コストも安いということで、工場の労働条件が劣悪だったり。貧しい人々のためにと寄付される服の数が増えすぎて結局廃棄される服も出ていたり。服を作る・廃棄する際の環境汚染が深刻だったり。人件費の安い海外に工場を建てて服を作るようになったおかげで国内の縫製技術が失われてしまったり(筆者はアメリカ人なのでアメリカ国内の話ではありますが、日本もきっと同じ状況かと)。一度はどこかで聞いたことがあるような話ではありますが、改めて現実を突きつけられました。

ファッション業界の問題についてあれこれ列挙しましたが、私自身の服の買い方にも問題はあると思っています。
例えば価格面。高い服を買うときは「この値段は適正か?」と考えることはありますが、安い分にはありがたいから「この値段は適正か?ちゃんと作り手に還元されているのか?」なんて考えたことはほとんどありませんでした。環境面にしても、買ったときは気に入っていても次の年には気分じゃなくなって手放してしまうこともあるし、化学繊維は土には還らないと分かっていてもポリエステルの服は早く乾くしシワになりにくいのでつい買ってしまいます。
理想は「適正価格で販売しているメーカーから天然素材の服を買って長く着る」なのでしょうが、難易度高いなぁ。
まずイチ消費者が値段の付け方が適正か判断するのは結構難しい。品質のいい服はそれなりの値段がして当然だけど、品質を見極めるのも知識や経験が必要だと思う。生地の良し悪しは着れば何となく分かる。縫製の良し悪しは縫い目がガタついてるとかボタンの付き方が甘いとかなら分かるけど、それ以上を見極めるのはちょっと難しい。それに作り手の人に正当な対価が支払われているのかは消費者目線だと見えてこないことが多い。天然素材の服はできれば着たいけれど、乾きにくかったりシワになりやすかったりと機能面が気になってしまうことが多い。特に乾きにくいことによる生乾き臭は許容できない。ひとつの服を長く着るのは素敵だけど、今の私は自分にとってのザ・定番と言える服装を見つけたいから色々な服を試してみたい。

最近はサステナブルファッションとかエシカルファッションとかよく聞くけど、私はそんなに意識高い消費者になれそうもないです。
ですが、環境や作り手に配慮しているブランドを調べてみたり、できるだけ手入れをして仮に手放すことになっても綺麗な状態で手放せるようにしたり等、できる範囲のことはやってみようかなと思いました。
最後は著書の中に登場したこの一文で締めようと思います。こうありたいという思いを込めて。

肝心なのは、どこで買うにしてもできるだけよいものを買い、買ったものをきちんと活用し、手入れをすることだ。

「第九章 ファッションのこれから」より

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