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ピンぼけコンタクト


度数の違うコンタクトを左右間違えてつけてしまったことに気づかないまま家を出て、なんとなくピンぼけなまま一日を過ごしました。

ピントが合ったりずれたり、結局やっぱりなんとなくぼやけている気がして。
自分の人生みたいだなあと思ったりもした。


久しぶりに八本脚の蝶を読みました。
彼女ほど知識も才能もないし、愛されてもいないけれど、痛いほど気持ちがわかるなあと思う。

昔から、自ら命を経ってしまった人の書いた文章を読むのが好きだった。好きというと語弊があるけれど。
時を止めて自分を言葉の中に閉じ込めてしまった人が何を考えているのか知りたくなってしまう。
その人のブログやツイッターを見て、時にはその瞬間の動画を見て。死に至った背景を知って、別に同情したり悲しくなったりするわけではなくて。ただ、時を止めてしまったそのひとが何を考えていたのかということを知りたくて、分かるはずもないのに言葉から読み取ろうとしてしまう。悪癖ですね。

同じように、凶悪犯罪についてもよく調べてしまう。

超えてはいけない一線を越えてしまうひとが、その瞬間何を思うのか。それを知りたいという純粋な好奇心がある。

多分、自分がしにたいしにたいと言いながら一線を越えるつもりもない意気地なしだから知りたいんだと思う。



梨木香歩「西の魔女が死んだ」
夏目漱石「こころ」


一度読んだ本は基本的に読み返さない私がこの二冊だけは何度も何度も読んでいる。
私の性格に多大な影響を与えていると思う。
こんな性格だからこその二冊なのかも知れませんが。


しにたいの線の上を歩いて、たまに生きてみるかぁの方に傾いて。それを繰り返して今日まで来た。


でも私は先生みたいな人間だから、Kが強くて潔くて羨んでしまう。

「向上心のないやつは馬鹿だ」と言われて、確かにそうだなじゃあもういいかと思える潔さが羨ましい。


もう私のマイサンクチュアリはどこにもないので。これからは傷だらけになっても心休まる場所も傷を癒やしてくれる場所もないんだよね。痛いねって言ってくれる人もいないんだよね。そのうえ自分に向上心もないんだよね。


人に伝える気のないメチャクチャな文章を書いてしまってごめんなさい。
自分のために必要な作業なので…


いつか生きてみるかぁじゃない方に傾ける強さを備えられたらね。みんな初めてそのときに頑張ったねって言ってくれるのかもね。


ピンぼけのコンタクトと同じようにふらふら焦点の合わない人生に時間を浪費しているなあ。
もっとうまく時間を使える人に分けてあげたいのにね。


まっすぐ前を見据えてふつうの人生を歩めないのなら、せめて彼岸だとしてもまっすぐ見つめられる強さのある人間でいたかった。


頑張りたいと思うし頑張るよって思うけど、
いつまで頑張ればいいのともこれは頑張れてないのとも思うよ。


ただ抱きしめてほしいだけなの。


頑張れていないことはわたしがわたしを一番見つめてきたからわかってるの

だから嘘でも頑張ってるよって言ってほしいだけなんだ


嘘つきなんて言わないから
お願い


ここは寒いし息苦しいよ
もっと楽に息がしたい


さくらいくん、なんで私の手を離しちゃったの

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