そら豆の話
そら豆が食べたーい!
ってなる時がたまにある。
そう、今日はそんな日。
そら豆は、さやが上に向かって伸びるようにつくから、空を向いた豆、"そら豆"と言うらしい。
それから、エジプトのピラミッドやトロイの遺跡からも化石が発見されていることから、世界最古の農作物のひとつといわれているんだとか。
今まで気にして見たこと無かったけれど、
サヤの中にあるワタがふかふかしていてベッドみたい。
まるっこくて、並んでいるのがかわいい!
珠柄はそら豆のへその緒みたいな部分。
ここで個人的な昔話。
枝豆よりも、えんどう豆よりもポピュラーじゃないけれど、ひよこ豆よりは食べる。
そんな立ち位置のそら豆は私にとって思い出の味。
私がまだ10歳ぐらいの時に親戚のおばちゃん(祖母の姉妹)の畑で収穫していたのがそら豆。
おばちゃんの名前も顔も声も忘れたし、他にも野菜はたくさんあったはずなのに、そら豆を収穫した記憶がとにかく鮮明に残っている。
収穫した後は、サヤから豆を取って採れたてを茹でてもらう。
おばちゃんが茹でている間、私は暇だからニワトリ小屋に行って、あんまり良くない野菜をニワトリにあげる。
オスとメス合わせて10羽ぐらいが勢いよく私に近づいて来る。怖かった。
それから、おばちゃんのお家は土手の横にあったから、ダンボールで土手滑りをした。
「まいちゃんできたよ〜」
という声に呼ばれていくと、ザルいっぱいのそら豆。
それを広い土間のある母屋で、食べる。
いつも、帰りには祖母が何かお土産を渡していて、それと交換に野菜や卵をもらっていた。
私が成長すると伴に行く回数は減って、ついには行かなくなった。
そんな思い出のそら豆も、スーパーで買うと、たった6個で豚肉1パックと同じぐらいの値段がするのだ。恐ろしい。
私は茹でたそら豆にオリーブオイルと塩コショウをかけた味付けで。
いただきます。
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