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記事には記名を義務づけよう

1.永里選手が受けた被害

元なでしこジャパンのFW永里優季選手に関して、日刊スポーツの記事が悪い意味で話題になっています。

知らない方のために簡単に纏めると、永里選手は9月に神奈川県2部リーグの男子チーム「はやぶさイレブン」に期限付き移籍。今月18日のリーグ戦では日本協会の第1種(一般・大学)に登録された女子プロ選手として初の公式戦出場したのですが、日刊スポーツが昨日、「永里がアメリカのチームへの移籍を突然決め、現在のチーム関係者はまったく聞いていない様子だった。」という意味合いの記事を掲載。
しかしこれは事実ではなく、永里選手は来季アメリカのチームでプレーすることは確かに決まったものの、今年いっぱいは契約通りに現在のチームでプレーをするとのこと。

2.なぜこんなことが起こり、そして強く批判されたのか

もしかすると女子サッカーの知識が乏しい記者が書いたのかもしれません。しかし新聞記者、それもスポーツを専門とする媒体の記者、つまりは言い訳のしようがないほどのプロなのですから到底許されることではありません。
しかも、現時点で日刊スポーツ側は間違いを訂正しただけで正式な謝罪は行っていません。

紙面を上回るほどにインターネット上で記事を読むことが増えている昨今、クリックされる数を増やすべく見出しや本文にインパクトを重視したような記事、そしてそれ以上に問題な、中立の立場を装っていながら読んだ人達を煽動しようとしているかのような記事が増えています。
今回の記事も、ミスということ以上にそういうものが見え隠れしたために多くの批判が集まっているのでしょう。

3.スポーツを書く媒体に求められること

私個人の意見ですが、メディアがスポーツの事柄を記事にする際には、根本に愛情がなくては書く資格はないと思っています。正当な理由があって記事で批判をする場合にも、です。

ただ残念ながら、そういったものが一切ない、ただ目の前のクリック数を狙うような記事が増えていることをふまえると、記事の最後には書いた記者の方の名前を載せることを義務化する必要があるように感じます。

これは無責任な記事をなくすことはもちろんのこと、記者の方にとってもメリットがあります。
本当に素晴らしい記事を書くことで記者の方の力量が評価されることへと繋がるのです。

本当に良い記事というものは派手さがなくても読まれます。そして高い確率で記憶に残ります。
スポーツ新聞であるような専門的な媒体であれば特に、そういうものを目指して記事を書いて頂きたいものです。

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