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【やらかし】蓋のないティーポット

#やさしさに救われて

カフェバイト2年目くらい。
コーヒー等のドリンクを作るポジションにいた日。

ランチの時間はかなり混みあって、
伝票がずらっと大量に並んでいる。

そんな忙しい中、私は紅茶を作っていた。
もちろん、それだけではなく同時並行で
様々なコーヒーを入れたり、
コーヒーフロートを作ったりしていた。

その瞬間は唐突だった。
慌ただしく動いている中、ティーポットの蓋を閉めようとした時、ふいにお客様に声をかけられた。

私は対応しようと振り返った。

「パリーンッ!!」


やってしまった。

持っていたティーポットの蓋を床に落としてしまった。しかも、店長の目の前で。

店長が一言。
「しょうがないな。」

紅茶を入れているティーポットは数が少ない。

つまり、あまり割ってはいけないものだ。
(大前提、よし割ってやろうと思って割るなんてことはないので、割っても怒られはしない。)

状況は一部始終見られていたので、
私に悪気があって割ったわけではないのは
従業員全員がわかっていた。

みんな、
「忙しかったもんね。」
「お客様急に来たもんね。」ととても優しくしてくれた。

みんなの優しさにジーンと来ていたが、
ティーポットが入っている引き出しを開けると、
1つだけ蓋のないティーポットがしばらく置いてあった。

これは私への戒めなのだろうか。



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