【随想】成年後見制度を考える#4−裁判所にて(4/6)

 裁判所には、余裕をもって昼休みのあと午後1時に伺うということで連絡をした。急遽必要な書類があったとしても午前中に対応できるからだ。当日は、始発で札幌を出て、一度故郷の芦別に立ち寄る。今回は、父(本人)の法定相続人であるわたしが後見人になる(予定な)ので、その他の相続人(母と弟)の合意が必要となり、合意を証明する書類として母と弟の自署による合意書を併せて提出しなければならない。合意書に自署と印鑑が必要だったのだ。
 実家で必要書類の最終確認をして、バスで裁判所のある滝川市に向かった。すこし、早めについたので、約束の時間になるまで近くのコンビニエンスストアで時間を潰し、10分前に裁判所に出頭した。
 窓口で氏名を名乗ると、すぐに裁判所の事務官が対応してくれた。申立人としてまた後見人候補者としての面談があるということを聞いていたので、その面談が即日でやってもらえるのか、後日日を改めてということなのかを早く知りたかったので、事務官にそのことを最初に尋ねた。事務官はすこし考えたあと、わたしの事情を踏まえ、若干時間はかかるが即日で対応してくれるとのことだった。事務官が時間を必要としたのは、面談のため、提出した書類一式を精査しなければならないからである。「小一時間ほど、書類を読ませてほしいのでお待ちください」と事務官はいうので、もちろん承諾し、裁判所の施設をぶらぶらして待っていた。
 ほどなくして、別の係官がわたしに近づき、「ご承知のこととは思いますが……」といい、裁判所が用意している成年後見人制度に関するDVDを見ることを勧められた。勧められるまま、待合室のような部屋に案内され、小一時間このDVDを見て過ごした。これが、かなり充実の内容で、最近の映像教材はよくできているなと感心して見入っていた。
 DVDを見終わってまもなくすると、先ほどの事務官がわたしを呼びに来て、少し改まった部屋に案内され、そこでまず、申立人としての面談をうけ、その後に、後見人(候補者)としての面談をうけることになった(2019年6月5日記)

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