職場のメンヘラこじらせ女性との思い出 2 歩み寄り

新規の部署がスタートして3ヶ月経過。

メンヘラこじらせ女性の暗躍により人材は薄くなったものの
仕事は毎日あるし、いる人でやらなければならない。

私は、難しい彼女とも上手くやっていくべく
あれこれ模索した。

他者に対して優しくないのは、優しくされた経験が乏しいからに違いない。

私は、彼女という人をきちんと知ろうと思った。

365日稼働する部署なので、シフト制である。

彼女とお休みがかぶる日には、自分から誘って食事に行ったりした。

休日の彼女は、とてもガーリーであった。

お洋服も可愛いし、髪の毛もちょっと巻いたりして
なかなかの女子なのだ。

かたや私は、服に全く興味がなく、メイクも殆どしない。

女子力の軍配は、確実に彼女の方に上がっていた。

友達が一人もいない、と彼女は話していた。

中学高校と運動部で活躍していたというが、
その頃の仲間は、友達ではないらしい。

大学でも友達はいなかったと。

どうやったらそんな事になるのか私には全く見当もつかなくて、
とても不思議だった。

今までに彼氏は何人かいたらしいが、それは全て
職場で知り合った年下彼氏だった。

何回か休日を一緒に過ごし、お互いのこともだんだん知っていくなかで、
私達の間には友情が生まれたような気がしていた。

仕事が終わらず、二人で頑張って終電を逃し、
朝まで一緒に飲んだ日もあった。

モテない私、いつも気づけば2番目になっている私を知って、
ある日彼女は、涙を流した。

私がそんな不憫な目にあうのは堪えられない、幸せになってほしいと言いながら泣いていた。

別の時にも、彼女が仕事で上手くいかなかった日、帰りに夜景のきれいな場所に二人で行ってはしゃいでいたら、
優しいね、って言いながら泣いていた。

そんな感じだから、仕事中もお互いを思いやる形が出来てくるだろうと
私は思っていた。

しかし、それはそれ、これはこれ。ってやつらしい。

職場ではちょいちょい、他の人がこっそりと、
彼女が私の悪口を言っていたとか
彼女がなにかのトラブルをその日休みの私のせいにしていたとか、
良くない話を耳に入れてくる。

心配してくれる人もいた。友達だと思ってるかもしれないけど、彼女はそう思ってないように見えるから気を付けろと。

怒っている人もいた。友達面して、いない所ではめちゃくちゃ悪く言うなんてありえないと。

だんだん解ってきた。

彼女は、マウントを取れていないと安心できない質なのだ。

彼女が無資格なのに対して、私はその業務の有資格者である。

いざというとき呼ばれるのが彼女ではなく私である事が
最初から不満で不安だったのだ。

だからあらゆる局面で、私のミスを探していた。

見つけると、数日かけて、職場の全員にその話をする事を徹底していた。

これにかけては、本当にエネルギッシュと言う他ない。

私もだいぶ引いたが、職場の人たちの中にも
この陰湿な執念に背筋が寒くなる人が出てきた。

その執念の対象は、私だけではなかった。

私は年の功もあってか、不快ではあってもスルーし続けたが、
若い人は耐えられず、ただでさえ減ってしまったスタッフが
更に減り続けた。

つづく。

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