職場のメンヘラこじらせ女性との思い出
「メンヘラ」
「こじらせ女子」
この手の種族に出会わずにこの年まで生きてきた為
彼女の存在は、私にとってかなりの恐怖であった。
二度と会いたくないが、記念に書き残しておこうと思う。
彼女との出会いは、新規に立ち上がった部署での
立ち上げメンバーとしてだった。
お互い、はじめまして。
同じ30代後半ではあったが、
彼女は、他社から中途採用で入ってきたばかりの正社員。
私はその頃なにもしていなかったので、暇潰しにその会社に非正規雇用で復帰し
少しだけお手伝いする人、といった立場。
なので彼女の方が立場は上である。
しかし、私の方が少し年上なのと、過去に在籍していた時代に私があまりに鬼畜だった噂を彼女が事前に耳にしていたせいで
最初は至って丁寧であった。
もちろん私は、自分の立場をわきまえていたので
“穏やかで優しいお姉さんキャラ”を貫く事をあらかじめ決めていて
彼女とさよならする最後の時までそれを全うした。
こんな感じで、面倒くさい日々がスタートした。
一緒に働き始めてしばらくすると、彼女の性格が判ってきた。
悪い。
とにかく性格が悪い。
新規の部署ゆえ、色々と仕組み作りからやらねばならず
上手くいかないことも毎日ある。
それは全く以て当然の事であり、想定内の事でしかないのだが
彼女は毎回ヒステリーを起こす。
目の前に発生した課題を分析する前に、まず犯人の特定。
次に悪口雑言の嵐。
その次に、なんと、、、
特に何もしないのである。
不機嫌な顔でわざと物音を荒々しく立てながら残りの時間を過ごすのみ。
大人の女性らしからぬ仕事ぶりである。
性別が同じなので、仕事終わりにロッカーでも同じ時を過ごすのだが
「今日のあれは◯◯さんが悪い」
「◯◯さんのせいであんな事になった」
最後まで徹底して糾弾し続けるしつこさ。
1ヶ月でうんざりした。
2ヶ月目からは、早くも人が辞め始めた。
新規部署のため、少し多めに人を採用しており
中には若くて可愛く有能な女子が何人もいたのであるが
その子達から撤退が始まった。
表向きはフレンドリーに接しているが
若くて可愛く有能な女子がなにかミスをした時の攻撃力は、普段の倍くらいの威力で行われた。
若くて可愛いのに有能、という女子は、総じて性格が真面目でいわゆる“いい子”であった為
みんな、自分のしたミスを必要以上に反省し
「恥ずかしくてもうここにはいられません。辞めさせていただきます」
という流れになってしまう。
部署の責任者は男性で、素直で明るく、ちょっと鈍感な人だった為
彼女が巧妙に日常的ないびりをしている事に
あまり気づいていなかった。
辞めると言っている子を引き留めたりもしていたが
鈍感力が災いし、リアルタイムで気づいてフォローする事は出来なかった。
若くて可愛く有能な子は、そんな点にも勿論気づいているので
丁寧に
「お気持ちはとっても嬉しいんですけど、やはり、、、」
と、説得も空しく、次々に去っていった。
その次には、出来る若い男子が辞めていった。
若い男子は、愚かな大人どもに見切りをつけるのが早い。
突然に見えるがまあ当然のタイミングで
いきなりスパッと辞めていった。
こうして3ヶ月後には、人材が薄くなっていた。
私の手元には、辞めていった子達からの
「お世話になりました。△△さん(←私)のことは大好きでした。
××さん(←問題の彼女)は怖かったです」
という、遠回しの悲鳴LINEが残った。
つづく。
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