某きのこ社長のお話

 わけあって特に興味のない講義に一生懸命出なければならないのだが、「~しなければならない」というのは呪いの言葉のようだ。中学3年の時、熱血キャラでやっていたゴリラみたいな隣のクラスの担任が、学年集会でバケツに水を写しながら「水は高い所から低い所に落ちる」と言ったのを思い出す。水は例外なく下のバケツに落ちるのだろう、だが人間に当てはめるのであれば重力のような法則のせいにするは難しく、水が入っていったバケツから怠惰を誘われるという方が感覚に近い。

 話はずれたがこの講義、オムニバス形式で各分野の講師を招いて講義をしていただいている。先日は地元でも割と有名なきのこ会社の社長さんに話してもらった。商品自体の品質は勿論、大規模な投資とそれによる安全性の確立によりブイブイしている印象を受けた。
 この人が一番参考になったと思う国はニュージーランドらしい。カルチャーショックによるものだとも思うが。大規模投資をする人の思考って、今まで本当に理解できなかった。明確な道筋のない未来には1円でも投資したくないし。しかし何百万もお金を突っ込むということは。本人なりの未来運行図があるはずである。
 簡単に言うと、ニュージーランドの方がその食材においては半歩先の経済状況になっていたわけだ。20年前に100か所あった生産農家は10年で5か所になり、その5か所が90%の国内シェアを占めている。日本で零細化が進むのと反対の選択をしただけだと思う。そういう視点の持ち方は客観的で、情が無く正確である。素直にそういう思考に向かう人って羨ましいな。私はこういう思考の方向転換に逃げてしまうので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?