人前でピエロのように戯けるのを辞められない
いつからか、人と一緒にいると
「笑わせよう」
「笑わせないと」
「楽しませよう」
「楽しませないと」
と思うようになった。
人の顔色を伺って、
空気を読もうとして、
少しでも相手が不機嫌そうになったら
大袈裟なリアクションをとって
冗談を言って戯けて
まるでピエロのようになるのを私は辞められない。
いつからなのか
もう私のDNAに刻み込まれて
初対面の人の前でも、
友達の前でも
家族の前でも、
「私」のようで「私」ではない「ピエロ」のお面をつけて、大きな身振り手振りで冗談を言って戯けふざけるのは
私の本能のような、もはや無意識下での行動になっている。
きっと傷つくのを極端に恐れている私が
私を守るために作り上げた「ピエロの仮面」
戯けて冗談のように振る舞っていれば、
傷ついても「冗談だよ〜〜」って誤魔化せるから。
人と話すときはもちろん
電話でも、LINEでもこの仮面を外すことができなくて、
あとで一人になった時に一人で自己嫌悪に陥ることも少なくない。
先日、試験期間が終わり
久しぶりに彼にラインを送った。
また「明るい」「楽しい」ように見える文面を送ってしまった。
そもそも、付き合って(?)いる男女がLINEをほとんど送り合わないのもよくわからないけれど
(仮にも中距離で頻繁に会えるわけじゃないのに、相手が今何をして、何を思って、どう過ごしているのか、彼はちっとも気にならないみたいだ)
私と会うときはいつもスマホを見ている彼が
何時間も後にとった行動は
『既読無視』
呆れ果てた私は、
傷つくのを尚も恐れて
さらにちょけた態度でラインを送った。
やっと返ってきた彼からの文章は
「しんどいからまた今度」
ふふふ。ははは。
何がしんどいんだろう。
体調崩しているのかな。
お仕事が大変で疲れすぎているのかな。
それとも
「私のちょけたLINEの相手をするのが『しんどい』」のかな。
ははは。
相手のラインを拒絶するくらいしんどいって、何なんでしょうね。
彼からラインなんて決して送られてこないから
彼が自発的に彼の話をすることなんて決してないから
私は彼がたとえ〇んだとしても
知らないまま、「音信不通になった」と思って生きていくんだと思う。
彼が今どこで、何をしているのか、元気なのか、そもそも生きているのか
誰を愛しているのか。誰と過ごしているのか。
それすらも知ることのできない私は、彼にとって何なのか。
もうその答えはとっくの昔に知っていて、
でもまだ気づかないふりをしている。
ラインを送るきっかけを探して、
何分も考えて、
書いて、
消して、
書いて、
消して、
書いて、
やっと送ったラインを
拒絶するほどの「しんどい」って何なんだろう。
私は「重い」のだろうか。
もっと聞き分け良くならねばならないんだろうか。
これ以上傷つきたくない。
私が何をしたっていうの?
ただ、本当に好きだった。
友達はみんな口を揃えて
「早く他の男作りな」
「これ以上傷つく必要ない」
なんていう。
それなのに
まだ好きな私がいて
本当はわかってる。
彼の態度にずっと出てる。
彼はとっくの昔に私が好きじゃなくて
私なんてどうでもいいってことも。
この先このままこのよくわからない関係を続けていても
決して私は愛されることはなくて
傷つき続けるだけだってことも。
それなのに
一歩踏み出せなくて
後回し
後回し
にしている。
本当に
ただ
彼をずっと好きだったんだ。
ただ、それだけだったの。
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