殻を破く

今日はマゾと食事をした後にプレイをしてきた。私達はシャイなので、少しぎこちなくなりながらランチを過ごした。夏はどう過ごすのとか、SMの話を少しした。

食事の後に用意した手紙を渡し、プレイ道具一式を私が取りに行っている間に読んでもらった。手紙を手にして、読む前からマゾはすごく嬉しそうにしていた。

ホテルのドアを開けると、妙に距離が近くて、10kg以上あるプレイバックを横に置くと、すぐに私が手に荷物を持っているのも憚らずに抱きつかれた。そのせいでペットボトルが2本床に落ちたけど、どうでもいいという風だった。

「こんな大事な話をしてくれてありがとうございます」と何度も口にしながら、抱きしめれた。


マゾが私の身長よりも30センチ以上高いこともあって、しばらく終始撫でられて抱きしめられる形になってしまった。マゾに撫でられるのはいけ好かない気持ちもあったが、その抱擁からいろんな気持ちが伝わってきた。

しばらくその状態が続いたあと、開口一番に「妹と弟さんはきっとらぶさんに感謝していますよ」と言われた。こいつは本当に何でこんなにも私を安心させるような言葉が一番先に出てくのだろう。

勝手に抱きついてきて、なんで若干勃たせてるのと私が笑いながら言うと

「僕のおちんちんなんて、そんなの今日はどうでもいいです。もうずっとハグしていたいです。僕がらぶさんをハグしたい」と言われてしばらく撫でられてしまった。多分この子は本気で今そう思っているんだろうなというのが伝わってきた。


手紙を一緒に眺めながら、ここが嬉しかったとか、印象強かったという話をしてくれた。一番嬉しかったのは「もう最近、私は稼げるプレイを君にしてないよ。全部私」という一行だったらしい。意外だった。

今日は特にプレイの段取りはきめていなかった。動画を撮る予定もなかったし、マゾの様子を見ながらしたくなったプレイをした。

回を重ねるたびに私の責め立てる口調が強くなっていくのを自覚しているけど、その度に私は母親に似ているなって感じてしまう。仕方ない、卑劣に人を責め立てるのが自分なんだなって少し諦めのようなものが生まれた。この子がそれを受け入れてくれるから、そんな汚い自分もそのまま置いておくことができる。

だけど、そもそも汚い私を引き出したのはこいつなんだから、やっぱりこいつに責任を取らせよう。沼に沈めたい。


マゾは今日、何度も何度も「綺麗です。」と口にしていた。「なんか気持ちがこもっちゃって、らぶさんのお顔を今日はたくさん見つめてしまいました。」と言っていた。


さっきのランチ中に「SMは相手次第なわけだから、依存してしまう側面がどうしてもあります。自分が安定していないと、すぐにひどく依存していますから、経済的に自立すること、まずは生活を安定させることが大切ですよね」という話をしていたのに、私たちはその脆い橋を何度も行き来している。

それはきっと信頼関係があるからなんだろう。泥沼のようなプレイをしても相手はきっと大丈夫、自分も大丈夫、足をすくわれることはないと思っているのだ。ここに精神的自立の上にあるSMの面白さがあるように思う。


プレイが終わって「僕はらぶさんに抱かれるのが本当に好きなんです。一番のご褒美なんです。でも毎度じゃなくてもいいんですよ。負担になるだろうし」と言われて

「あら残念。私は毎回抱きたいんだけど」と返事をしたらとても嬉しそうだった。かわいい。


手紙を渡してよかった。マゾは喜んでいた。私が素直に気持ちを自分に話してくれるのが嬉しいらしい。

そういえばこの子はずっとそう言ってくれていたのに、私がありのままの姿を見せることを怖がっていただけだったことに気づいた。

「前にもお伝えしましたけど、らぶさんは優しさと人間愛のある素敵な女性です。そんならぶさんのことが大好きです。」そう言って、マゾのプレイの感想は締めくくられていた。

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