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取り戻そう

昔、ディクレシアについて書いた事があったと思う。識字障害。私は高校生の頃、文章は読めるけど頭でその内容を理解することができなくなった。

当時は短い記事からの抜粋や、絵本なんかは読めたけど、ほとんどの本を読むのに苦労した。読むことはできても、頭の中が常に不安な事で満たされていて、新しい情報を受け入れることができなくなっていた。今ならわかるけど、あれは完全に心因性のものだった。親から早く逃げることについて本格的に決意した時期であったため、酷いストレスがかかっていたのだろう。最終的に高校3年生になると、摂食障害や強迫性障害にもなった。

結局、識字障害っぽさについては自分の精神が安定したここ2〜3年までは残ったままだった。今でもたまにストレスが溜まると、文章を上手く脳に入れることができない。

久々に最近本を読んでいる。法律系の本以外にも、誕生日プレゼントに年配の方から本を頂いたこともあり読む習慣ができた。今日は岩盤浴にきて、「私を離さないで」という小説を読んでいる。

友達が横にいて、読んでいる最中の私にたまに話しかけてくるのだが、その内容を少し頭に入れながら本も同時に読むことができる。それを自覚したときに、私にしかわからない嬉しさが込み上げてきた。

一生懸命、定規でなぞったり、読み上げてくれる音声を頼りに本を読んでいた私が、こんなにちゃんと読めるようになった。

私は元々本を読むことが大好きな子供だった。幼少期は絵本を何度も繰り返し読んで、難しい本であればあるほど、中学生まではワクワクしていた。だから、本来の自分を取り戻せているような気がする。克服するってこういうことなんだろうな。

ちなみに仕事でお客様からお手紙や感想文、プレイ内容の打ち合わせなども頂くので、文字と向き合っている時間は長い。昔の私ならきっと、感情が悪天候の船みたいに激しく上下して、到底できなかった作業だ。これが当たり前にこなせるようになったことも強い。誰かの重い気持ちを見ても、それに引き摺られることもない。

もうこれは今まで何百回考えたかはわからない。母親に数年前再会した際に言われた「どうやったららぶちゃんは許してくれるの」について、まずは謝罪しろと思っていたけど、ずっとどこかで引っかかっていた。謝罪されても許すことなんて到底できない。

最近、自分の本来の姿を見つけられてきて、やっと答えが出てきた。「私の青春時代(時間)を返してほしい」これに尽きる。壊された健康と精神を取り戻すまで、こんなに時間がかかった。親が植え付けた強迫観念が原因で、自死するよりも辛い思いを何度も経験してしまった。

そのまま親が青春時代を返してくれるなら、時を戻せるなら構わないが、そんなことは到底現実には起こり得ない。だからきっともう一生許せないのかもしれない。それでもいいし、そんなことよりも、私がこれから幸せに生きられることを心から願っている。取り戻そう。

サポートして頂けると、これからも頑張れます。