衣食住にも劣らないもの


LAMP IN TERREN〜Progress Report〜
2020.10.29 京都磔磔

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8ヶ月ぶりのライブ。

質問用紙の提出、検温、アルコール消毒「✖︎印のある場所に」と立ち位置の指定、自粛前までとは全く違っていた。

それでも久しぶりのライブハウスの雰囲気にやっと帰ってこれたと少しホッとして、それでもまだ不安と緊張は根を張っていた。

徐々に増えてくる観客、それでもいつもよりはすごく静かなライブハウスは速まる心拍数が少しうるさいくらいで。


《LAMP IN TERREN》と書かれたネオン管を見つめているとスタッフさんたちが、前列と2列目にフェイスシールドを配り出した。
見慣れない光景に戸惑いつつも、友人が少し楽しそうにフェイスシールドを着ける様子が面白くて近くにいた友人と笑って見ていた。


しばらくすると健仁さんの声。
事前に噂で聞いていた場内アナウンスが流れてきて、これか…!と感動。

場内で流れているBGMが心地よい。


もうちょっとやなー。どんなはじまりやろなー。
と考えを巡らせていると切り替わったSEのせいで膝から崩れ落ちそうになった。


もう聴けないと思っていた曲。
LAMP IN TERRENのライブがはじまる!!!
と強く実感させられる曲。
いや、もうあのSEからライブははじまってた。


メンバーの円陣の声

後方の階段を降りてくる足音

一曲目の一音目が鳴り響く




正直ここからあまり覚えていない
抑えきれない感情を必死に抑えようとした
それでも「堪えなくていいよ」
自分たちの音楽はそのためにある
と言わんばかりに
優しくて、暖かくて、楽しくて、幸せで


大喜さんの今までになかったドラムの叩き方。
呼吸を合わせるためにメンバーを見る真剣な目。
なかなか向いてくれない健仁さんの方をずっと笑顔で見ていたり、力強かったり優しかったり本当にバンドの土台だなと思った。
樹齢何百年の大木のような。

真太郎さんの本当に気持ちよさそうなギターにこちらも酔いしれてしまった。
客席を見る優しい目だったり、歌の色をより鮮やかにしてくれる音に「ああ真ちゃんだ」って当たり前の事を強く感じた。
大さんが歌詞を飛ばした時の真太郎さんのフォローも愛をものすごく感じられた。

健仁さんの優しい音、強く響かせる音の違いのおかげで歌の輪郭がハッキリする。
こちらを笑顔で見てくれているおかげで楽しんでいることがちゃんと伝わっている気がしたし、深いベースの音に包まれている感覚はやはり安心する。

大さんはやはりメンバーの誰よりも楽器でも歌っている感が強い気がする。
切なかったり、美しかったり、背中をさすってくれる。
真太郎さんとのツインギターのアンサンブルは寒い時期に暖かい露天風呂に入った時くらいゾワゾワした。


メンバーのコーラスに、曲の繋ぎに、聴きたいと思っていた歌が入っていたことに、テレンの音楽に、思わず笑ってしまうMCと雁字搦めだった心を溶かさせるようなMC。
たくさん水をもらった。生き返らせてもらった。

正直、心を閉ざしすぎてアルバム「FRAGILE」を聴けなかった、聴けなくなったうちの1人でした。
こんな自分が受け取ってはいけないと思い込んでしまっていたから。
大好きなのに聴けなくて苦しかった。
ライブにも行っていいのか迷った。

けど、本当に行ってよかった。

8ヶ月ぶりのライブがテレンで、京都磔磔の暖かみのある音で本当によかった。
磔磔にははじめて行ったけれど、不思議な魔力があるようなライブハウスだった。


「またライブが出来なくなる日も来てしまうかもしれないけど、そばに寄り添うつもりでつくったから。音源だと遠くに感じてしまうかもしれないけど、今ここにいる俺たちを想像して。ここにいるこのままの俺が歌ってると思って聴いてほしい」

「1人ではできない。4人でもできない。聴いてくれる人がいるからこそ歌っていける。一緒に生きていきたい。」


ニュアンスでしか覚えてないけれど、この言葉とLAMP IN TERRENの音楽、4人の存在のおかげで無事に自分に戻ってこられました。
アルバムもちゃんと本当の声で聴けるようになりましたよ。


LAMP IN TERRENの音楽は衣食住とならんで、自分として生きるために必要なもの。

いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。









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