033 TTWP ⑦水球も水中運動:浮力を捨てて水球に活かす
前回の記事で
水球で浮力を使って、どんなことに活かせるかを
具体的に話しました
今回は、(あえて)浮力を活かさない、という考え方を水球に活かすのがテーマです。
それではいきましょう!
浮力を捨てるってどゆこと?
浮力を捨てるとは、水の中から浮き上がって体を出すということです。そして、重力で体重が増えるため、手と脚により大きな力(水抵抗を増やすスキル)が求められるということです。
同じ浮いた状態でも、体が水の中に入っていると体重は軽くなり、スカーリングと巻き足は楽になります。
浮いて体が水から出ると、その部分に重力がかかり、体重が重くなるので、スカーリングと巻き足もキツくなります。
この事実を水球に活かしてみましょう。
コンタクトプレーに活かす
水球はコンタクト(接触)プレーがあるスポーツ。そのため力がどうしても必要になる場面があります。
そして個々に力の差があるのもまた、間違いのないことです。ここで、力について少し考えてみましょう。
例えば、相手を掴んだり押したり引いたりするための全身の筋力差に注目すると、生まれ持った体格やトレーニングで鍛えるために費やしてきた時間など、個々の背景が違うことが考えられます。
そして、筋肉をつけるためには時間が必要です。今すぐに筋力差を埋めるのは現実的に難しいでしょう。
一方で、掴んだり押したり引いたりする物体の重さ(体重)を増やすことは今すぐにでも可能です。体重を重くできれば、コンタクトプレーでの筋力差にも幾分対抗できる力となるでしょう。
簡単に言うと
体を水から出して浮力を捨て、重力で体重を増やしてコンタクトプレーをしてみる
ということです。
OFがDFに当たられているシーンを例に挙げてみましょう。
例1)
↑DFがアタックしていますが、2人とも水の中に首以外は浸かっています。お互いに体重は軽い状態でコンタクトしてますね。双方の筋力がものをいいそうなケースです。
例2)
↑こちらはDFが胸あたりまで浮き、筋力に体重をプラスした状態でアタックしています。かたやOFは上からのプレッシャーで沈み気味、、、筋力だけで対抗しなければなりません。
明らかに、体を浮かせてアタックする方が、体重を使えて有利にコンタクトプレーができそうですよね。もちろん、OFにも同じようなことが言えます。
浮くと手足はキツいんじゃないの?
体が浮いて増えた体重を支えるためには、より強い抵抗を手足で生み出して、水の中に支持点を作り出さなければなりません。
浮くための支持点は自分の手足で作るのが基本で、スカーリング、巻き足のギアをギャギャッ!と上げることが大切でした。浮くのは決して楽ではありません。
※参考にして欲しい過去記事です
しかし、コンタクトプレーでは自分で作り出す支持点以外にも、体を支える支持点が存在します。
それは、相手
自分の相手は基本的に浮いているので、本来スカーリングで作らなくてはならない支持点を、手で相手を下に押さえることで代用できるのです。自分が楽できるように使えるものは使わないと損です。
また、相手を支持点として有効利用したいなら、掴み合いの考え方を押さえておきましょう。
掴み合いの考え方
簡単に言うと
相手との掴み合いで上を取らせないことが大事です。
イラストで見てみましょう
例1)
↑OFはDFの上から掴むことができており、有利にプレーを進めることができます。
例2)
DFが上を取れると形勢逆転です。
水球では必ず手の掴み合いが起こります。その時にボーっとしていると、相手に上を取られいいようにやられてしまうでしょう。
掴み合いでは、常に上を取らせない
有利にプレーを進めるための考え方として、ぜひ覚えておいてください。
おまけの話
手で掴んだり押さえたりすることばかりに頼ってしまい、脚を使わないプレーヤーは絶対に上手くなりません。水球は、脚(フットワーク)を使ってプレーすることがとても重要なスポーツですので、決して誤解されないようにお願いします。
お疲れ様でした
時には浮力を捨て、体重を増やして有利にコンタクトプレーをしましょう。そのために、使える支持点はどんどん使っていきましょう。さらに、掴み合いの考え方を分かっておきましょう。
この話題でもうひとネタいきます
話は次回へ続く、、、
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