028 TTWP ②水球も水中運動:強い水抵抗の作り方
前回の記事で、水の中でカラダを動かすために
強い抵抗を作り、水を押す
という原理を話しました。
「じゃあ強い抵抗はどーやって作るんだよ」という疑問が次に湧いてくるので、今回はそのあたりの理解を進める具体的な話です。
では行きましょう。
水抵抗をさせる3要素
水抵抗はこの3要素でコントロールします。
①スピード
②テコ
③面
①スピード
水の中で動くスピードが上がると、抵抗は二乗(!)で増えます。例えばクロールの手回し。回し方は変えなくても、スピードが2倍になるだけで抵抗は4倍に、スピードが3倍になると抵抗は9倍に増えます。
②テコ
要は、短い物体を動かすより、長い物体を動かした方が抵抗が増えるということです。手のひらだけで水を押すより、手のひらから肘にかけての前腕も含めて水を押す方が抵抗が増えますよね?
③面
単純に水を押す面が大きい(多い)ほど抵抗が増え、小さい(少ない)ほど抵抗は減るということです。テコとも繋がりのある話です。特に手のひらの形は大事。拳を握って小さな面で水をかくのと、握らずに大きな手のひら全体の面で水をかくのとでは手ごたえか違いますよね?
3つをまとめると
大きくカラダを動かすために、抵抗を最大化したければ、押す部分のテコと面を増やし、パワフルに素早く水を押すことができればいい。
ということになります
水を押すのはどこ?
言うまでもありませんが、水を押せるのは両手(腕)と両足(脚)この2つだけです。当然、抵抗を作れるのもここだけ。
方向にも気をつけよう
少し話が変わりますが、大きくカラダを移動させるには、押す方向にもこだわりたいですね。
前に進みたければ、正確に後ろに水を押す
後ろに進みたければ、正確に前に水を押す
上に浮きたければ、正確に下に水を押す
例を挙げます
上のイラストは、クロールで今から手を回すぞ!という瞬間です。
前に進みたいので、後ろに水を押すことが大切なのですが、イラストのように棒のようなまっすぐの腕で手回しをすると、水を下に押したり上に押したりしてしまう瞬間ができてしまうことがイメージできますか?
本来移動させたい方向と、ちがう方向にも水を押してしまうのは無駄なことですよね。
ここで言いたいのは、そういう話です
腕や脚には複数の関節があるので、各関節をもっと柔らかく使えると、押すべき方向に水を押すことができるようになります。一流選手の手回しや脚の動きはそのあたりの工夫がされており
押すべき方向に押せる効率的なフォーム
になっています。ぜひYouTubeやテレビで見て研究することをお勧めします。
お疲れ様でした
この内容は、まず泳ぎを題材にすると、とてもいい勉強になります。水抵抗をコントロールする3要素と方向を考え、押す力を最大化していくことを考えると、おのずと自分のフォームにも疑問を持ち、注目するようになるでしょう。
それが常に意識できるようになったら、水球のスキルにも簡単に応用させることができると思います。良かったら考えてみてくださいね。
それではまた!
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