蠍座さんへ 6月の手紙

蠍座さん、こんにちは!

暑い日が多くなってきましたね。新緑の色も濃くなり、夏の気配を感じさせます。6月は占星術においても大切なイベント、夏至がやってくるのですが、今年の夏至は特別な力を感じさせます。同日に日蝕が起こるのです。

また、6月6日には月蝕も起こりますので、月蝕と日蝕が今月のハイライトになりそうです。また、中旬には水星逆行も控えていますので、今月はそのあたりを中心に流れを見ていきたいと思います。


過去に戻って答えを見つける

蠍座さんにとって5月後半は「受け継ぐもの・想い」といった部分に焦点が当たっていました。具体的には親族から何かを受け継ぐであるとか、パートナーから何かを託されるであるとか、会社の先輩から大切な役割を引き継ぐとか、そういった生命線でつながる相手から「何かを受けとる」ようなイメージです。それは物質的なものかもしれないし、精神的なものかもしれません。同時に「家」にも焦点が当たっているときなので、実家にまつわる何かを継ぐかどうかといった問題が立ち上がった人もいたでしょう。

ですが5月中旬から土星をはじめとして、金星・木星と次々に天体が逆行を始めました。その影響で、やはり全体的に「過去に戻る」「やり直し・見直し」といった傾向が強くなります。受け継ぐものに対しても、本当にこのまま受け入れてもいいのだろうかと、迷いが出てくるかもしれません。

特に6月18日から7月12日は水星も逆行するのですが、蠍座さんにとっては「人生哲学・精神性・目指したい理想」の場所で起きますので、指針がブレやすくなるのかもしれません。自分が指針とするものは本当に正しいのだろうか。そんな迷いが起きやすい時期と言えるでしょう。

6月6日04:12頃、射手座で月蝕が起こります。この月蝕で「受けとるものに対して一定の答えが出る」といった印象があります。先月から迷いが生じていた人には、答えにつながるようなヒントがもたらされるのではないかと思います。もしくはこれまでの働きに対する報酬を手にする人もいるかもしれません。

受け継ぐ、ということに思い当たることがない方には、貯蓄であったり投資、保険などの金銭的な領域で何か獲得するものがありそうです。保険の見直しや、投資先の見直しなどについて悩んでいた人は、良いアイデアが閃いたり、解決策が見つかったりするかもしれません。

また一方で、めいっぱい自由になりたくなる時期でもあります。何ものにも縛られない「真の自由」を切望するような、そんな印象があるのです。このエネルギーをポジティブに使うと、より自分らしい喜びある人生を創る後押しとなってくれそうです。


そして6月21日15:41頃に蟹座で日蝕が起こります。ここから「理想の生き方を刷新する」とき。

5月から引き続いて「自己表現」に関心が向いている人が多いのではないかと思いますが、自分の心が純粋に楽しいと感じることに一心不乱に向き合ううちに、喜びを主軸とした理想の生き方がふっと思い浮かぶような気がするのです。

こどもの頃には思いもつかなかった、たくさんの「やらなければいけない事」が大人にはついて回ります。それに忙殺されているうちに、時折「やらなければいけない事」が人生の主軸にすり替わっている。でも、蠍座さんは5月から6月に、こどもの頃のような純粋な「わくわく」や「喜び」を思い出して、それを人生の主軸に据え直すことができる。そんな気がするのです。

そしてそれは、蠍座さんがここ数年かけて続けてきた「人生の学び」と無関係ではないようです。これまでの学びがあったからこそ、見えて来た理想なのです。日蝕の影響は長く続くと言います。ここで見つけた理想の人生を実現するために、数年かけて取り組む人もいるかもしれません。

そんな新しい理想の生き方を見つける中で、より精神性を向上すべくスピリチュアルなワークへの関心も高まるかもしれません。神秘の星である海王星と、情熱の星である火星がぴったりと重なる時期なのです。ただ、海王星の力は低い次元では幻惑に、火星の力は低い次元では攻撃的、性的な力となって表れることがあります。この時期に甘い言葉を囁きながら近づいてくるような男性にはくれぐれも注意してくださいね。

また、3月以降、家や不動産などの「自分のホーム」に当たる場所を創りあげていく意識が芽生えた人も多いと思います。5月中旬までは、来年以降築き上げていくホームの土台を下見するような時期でした。5月中旬から9月頃までは、これまでした下見を経て、じっくりと検討をしていくような時間に入ります。この「自分の城」を本格的に築いていくのは来年以降ですから、焦らずじっくり納得いくまで検討してください。


ちなみに星座問わず6月に注意したいことは、飲み過ぎだったり、詐欺などの「人を惑わせる」ような力です。健全なストレス発散方法を見つけたり、怪しい話には近寄らないことでトラブルを未然に防ぐことができると思います。

また、土星の逆行により、普段より「自分に甘くなる」ことがあるかもしれません。「今、私のブレーキ効いてるかな?」と自分に問いかけることで、自制を保つことができると思います。


月蝕は「私」の切り替え、日蝕は「公」の切り替え

月蝕は特別な満月、日蝕は特別な新月です。

月蝕は半年、日蝕の影響は3年半ほど続くという説もありますが、個人的にも蝕の前後で印象的な出来事が起こり、その余波が長く続くという感じがします。特に蝕に対して強い天体が作用していると、出来事も大きく、そして長引くような印象です。

昨年の12月26日には日蝕、そして今年1月11日には月蝕が起こりました。1月13日には冥王星・土星・水星・太陽が重なり、占星術をする人なら何が起こるのだろうとざわざわするような配置でしたが、やはり未曾有の出来事が起こりました。世界的なパンデミックにより、公的な仕事、そしてプライベートの過ごし方、生活のすべてにおいて新しい方向へスイッチすることを余儀なくされています。

最後に、全星座さんに共通の全体的な印象をまとめてみました。

6月6日04:12頃、射手座で月蝕

この月蝕では「自分の中の男性性と女性性をコントロールする方法を学ぶ」こと。そのためには自分の中の攻撃性や欲動といった男性性を受け入れ、正しく使えるように見つめ直すことが成長のカギ。

6月21日15:41頃に蟹座で日蝕

この日蝕では「役に立たなくなった物事を浄化し、女性性を活かした新しい物事が始まっていく」ので、新しい時代に向けて必要な「受容の力」「慈しみ育む力」といった女性性を学びとる姿勢がカギとなりそうです。

(この女性性と男性性とは、性別問わず誰の中にもあるもので、女性的な「受容力や育む力、慈しむ力」と男性的な「推進力や攻撃性、護る力」のことです)

今回の月蝕、日蝕ともに火星が非常に強い配置にあります。火星は軍神マルスの星です。アピール力、攻撃性、燃え立つ意欲など、男性的な力の星です。全体的に見ると、やはり土星のブレーキが緩くなっている時期なので、衝動的に攻撃性が出てしまうということも考えられます。

ただ、火星の側には神秘の星である海王星もいます。海王星は、低い次元では「惑わせる力」となり、高い次元では「神聖な光」となるように思います。キリストや仏陀も、瞑想中に悪魔の囁きと対峙したと言われています。神聖な領域へ近づく途中には、どこかで幻惑と闘うような場面があるのでしょう。精神性の向上に努めている人には、幻惑に打ち勝ち、階段を一気に登るような後押しの風が来るようにも感じられます。

余談ですが、タロットの「力」というカードが、この蝕のイメージをよく表しています。

画像1

獅子を女性が手なづけている絵が描かれています。これは、攻撃性や欲動といった獣性を、愛や思いやりでコントロールするというイメージです。「柔よく剛を制す」という言葉がありますが、まさにそんな意味あいでしょう。

資本主義経済の基本は「もっと速く、もっと多く、もっと遠くへ」だと以前何かで読んだことがあります。これは、火星のイメージにぴったりです。外へ外へ際限なく向かって行く男性的な力。しかし、それが強すぎたために地球環境はダメージを受け、エコな社会を作ろうという声はますます高まっています。また、男性性の強い競争社会の中で置き去りにされた、愛をもって和を成すような女性的社会の形成が今後は必要とされていくように思うのです。

話が大きくなりましたが、6月はどの星座さんにとっても、「柔よく剛を制す」がキーワードになるような気がします。

女性性を社会の中でどう活かすのか。はたまた男性性を家庭の中でどう活かすのか。そう、これまでとは力の使い方が逆転するのです。「家」と「仕事」という異なる目的の場所が融合した数カ月。特に「家」という場のエネルギーが乱れがちになったと思います。これまでなら場所を移動することで切り替えていた公私のエネルギーを、自分で意識的に切り替える事が必要とされてきました。これは今後も緩やかに続く流れだと思いますので、自分の中の男性性と女性性のエネルギーを使い分ける事は重要です。
そのための学びを蝕の期間にするような印象でした。


星の力を受けて、行動を決めるのは人の精神

私たちは太陽からエネルギーを受けとっています。太陽が熱や光を送ってくれなかったら、生物は発生しなかったでしょう。また、月はその重力で潮の満ち引きをつくりだし、水の循環を助けています。

ならばその他の惑星からも、エネルギーを受けとっているとしても不思議ではありません。水星は知性に、金星は愛情や美に、火星は攻撃性やアピール力に対して・・・等、それぞれの天体がエネルギーを送っているとして占星術は成り立っています。

でも、同じような星の配置に生まれた人でも全く異なる人生を歩むように、同じようなエネルギーを受け取っても起きる出来事は人によって様々です。それは、星の影響を受けとめて、行動を決めるのはその人の精神性によるからだと思います。

その人がどれだけ自分の中の良心に従い、愛を持って行動できているかで、引き寄せるものも変わって来るのではないか。これは占星術を始めて以来実感していることです。

蝕は印象的な出来事が起こりやすいとき。

でも、自分の受け取り方次第で、起きた出来事を教訓にできるはず。ピンチはチャンス。変化は学びのために欠かせないものです。
今あるものへの感謝を忘れずに、そして変わることを恐れずに、前へ進みましょう。


6月の星の動き、いかがだったでしょうか。

私がnoteで活動を始めたのは昨年のことですが、きっかけは2020年の星の動きが中々にハードな様相を呈していたので、自分に何か出来ることはないだろうかと思ったからです。

占星術はとてもファジーなもので、はっきりと何が起きると予言できるものではないと思っています。少なくとも現代の占星術の技術では難しいし、私にはできないというのが正直なところです。ただやはり、星と連動した大きな流れがあると感じています。それを何となくでも心に留めておくと、いざというときに素早く対処できるのではないでしょうか。

占星術を転ばぬ先の杖として使っていただけたら嬉しいです。さらには、ポジティブに使うための材料として使って頂けたら幸いです!

すべての蠍座さんが健やかでありますように。

それではまた!


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