パリ、東京

パリへ来てから約1ヶ月。

私が常々感じているのは「パリと東京にはさほど相違はない」ということである。

こんなことを言うと、誰しも「そんなわけない」と言い返してくる。
だが、脊髄まで秋田の誉れ高き風土が染み込んでいる私からすると、住んでいる人種こそ違えど、パリも東京もほとんど同じだ。

渡仏前、私はパリに住まう人間たちは皆、セーヌ川のほとりなんかで時間の流れをゆっくりと楽しみながら寝転がったりして、、かなりお気楽に生活しているものだと思い込んでいた。
東京では、学生業に映画鑑賞、アルバイト、周囲の人間との交際、、とにかく休みのない目まぐるしい生活をしていた私からすれば、正に"スローライフ"は憧れの文化だった。

ところが、だ。実際に渡仏してみると実はパリの人間も東京の人間と大差ない。皆、生き急いでいるのである。メトロやバスの出発時間を気にして、時には閉まりかけのドアに走り込んでくる乗客もたくさんいる。

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