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マイフィンガー、震えまくって

 昔から美人を前にすると指がプルプル震えるのですがこれは僕だけでしょうか。や、美人というとちょっと語弊がありますね、そうですね、こう、胸がどきどきすると?そのどきどきが小さな振動として指に現れるようなのです。いやー、恋ですねー。などと呑気なことは言ってられません。やでしょ。あなたの恋人がデート中ずっと指震えてたら。パフェーのあーんのやつできないでしょ。口元にべちゃってなるでしょ。だって指震えてんだもん。

 さて、そんなわたしのフィンガーですが、近ごろ、震えまくっております。震えが止まりません。

 僕が入っているミニミニ劇団「南極ゴジラ」が春に新しい作品をやることになりまして、僕はその脚本やら企画やらを担当しているのですが、その作品の準備が始まってからというもの、指の震えが止まらないのです。

 というのも、その作品はラブストーリーをモチーフにした短編集でして、
私たち劇団員以外にも何人もの役者さん・クリエイターさんに参加いただきます。どうせご一緒するなら憧れのあの人とご一緒したい、素敵な方と作品をつくりたい、そうこうあって周りに素敵な方がたくさんあふれてしまい、指が震えるのです。

 先日、企画にご協力いただくとある2人組にお会いしました。上野の喫茶店にいるとのことで、お邪魔させていただくとお二方は窓際の席にチョコンと横並びで座っており喫茶店の雰囲気も相まってお人形さんかと思いました。指は震えました。楽しくおしゃべりしていたのですが、ふと気がつくと、僕が話していたのは人間ではなくお人形さんで、なんか静かだなと思っていたら店員さんも他の客も全部お人形さんなのでした。おーこわ。

 そんな感じで毎日いろいろな方々に初めましてや、お久しぶりですをするのですが、誰しも魅力的で、声がやさしくて、笑顔がやわらかくて、あわい光を放っている方ばかりです。最近は指だけじゃなくて体まで震えるようになってしまって、クライマックス感が出てきました。僕はこの企画が終わった途端に心臓が爆発してしんでしまうやもしれません。どうか企画が終わるときまで、叶わくばあと70年くらいはどきどきに耐えてくれよ我が心臓。

 ラブストーリーがテーマということもあり、「恋」について考える機会が増えたのですが、僕が思う恋は、「お互いの想い度合いの不均衡」のことではないかしら、と思っています。僕はあなたのことが大好きだけど、あなたが僕を好きかどうかはわかんない。好きくないかもしれない。その不均衡こそが恋であり、胸がどきどき、夜は眠れず、ご飯なんて味しない、人によっては指がぷるぷる震えるのではないでしょうか。

 少し前に、南極ゴジラの劇団員のひとりと本企画について話をしていて、
その子の言動に、この企画のことちゃんと考えてるの?なんて思ってしまって僕は少しむっとしてしまいました。よくないですね。だってそれぞれ生活があって、他にもやらなきゃいけないことがあるんですから。そうわかっているのに、むっとしてしまう。こどもですね。

 最近、ん、もしや、これも恋じゃんね。と思うようになりました。
「お互いの想い度合いの不均衡」。タイミングによっては僕とその子の立ち位置が入れ替わることもあるでしょう。毎日いっしょうけんめい生活していると、誰かや何かのことを思ったり、逆に思われたりしてばっかです。でもその想い度合いが均衡になることなんてありえない。と。僕は勝手に思ってしまっています。


 毎日誰かに恋こがれたり、知らないうちに好意を寄せられていたり、想いだけが募ってやきもきしたり、相手の気持ちに気づけなかったり。
 毎日は恋ばっか、ライフイズビューティフル、ナイストゥーミーチュートゥー、クックドゥードゥルドゥなのです。

 いまの僕はこの作品そのものに、そして一緒につくりあげていく方々に、
フルスロットルで恋心を寄せながら、カリカリと台本を書いて、書いて、書きまくります。ラブストーリーがテーマの短編集です。きっとオモシロイです。この作品を観てくださった方がこの作品に恋をしてくれたら、もう思い残すことは何もなくなりますね。

 以上です。今日は個人的に少しうれしいことがあったので、その備忘録として、がんばっていこうや~という気持ちで書きました。
ではみなさん、おやすみなさい。

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