47分の最上級ホラー動画。ゾゾゾの裏面『拾ったら死ぬ……』

※ネタバレを含みます。前情報がない方がより楽しめると思うので、動画の視聴を強くオススメします。


洋画では『ブレアウィッチプロジェクト』、邦画だと小野不由美さん原作の『残穢‐住んではいけない部屋‐』や白石晃士監督の『ノロイ』などが当てはまる”フェイク・ドキュメンタリー”。”モキュメンタリー”とも言いますが、おおざっぱに言えば、架空の現象をドキュメンタリー調で描写することで、「本当なのかも……?」と思わせるジャンル。『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズもその一つですかね。

どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか?分からなくなる感覚。そして、視聴後に残るモヤモヤ。そこまでたくさんの作品を観てきたわけではないのですが、その薄気味悪さを味わいたくなり、中学生のころからチラホラ借りては観てきたんですよね。

そして、つい先日知ったのが、心霊スポットなどを訪れ、その詳細をレポートする”ホラーエンタテイメント番組”を配信する、ゾゾゾチャンネル。

そのレポートの裏側を語る、ゾゾゾの裏面。

そして、そのゾゾゾの裏面で配信されているのが、最初に貼っている動画、『【閲覧注意】拾ったら死ぬ…心霊スポットに捨てられた噂の写真を追え!謎の一軒家を巡る恐怖の全記録』。これが、フェイク・ドキュメンタリーとしてはハイクオリティで、最高峰と言っても過言ではないのでは?と思わせるものでした……。47分という長めの尺ではありますが、時間泥棒といっても過言でないほど、惹きつけて離さない濃密な内容になっております。


※ここから先、動画のネタについての感想や疑問を書き連ねます。



不可解な現象についてのお便り(動画内ではSNSの投稿)から始まり、その謎の解明に動くも解き明かすことができず、むしろわだかまりを残して終わる。王道的な構造で、『ほん呪』などを観てた自分にはニヤリとするものがありました。心霊スポットにばらまかれていた、焼け焦げていて破損している写真。裏面には、詳細な住所と”高垣”という苗字。調べると家と所有者が特定でき、所有者曰く、その家では奇妙な現象が起きていたとのこと。了解を経て家の中を調査するものの、不可思議な状況であり、解明できないまま撤収。この一連の流れが非日常的なはずなのに、でもどこからどこまでそうなのか分からなくなる、そんな奇妙な没入感。これがこの動画の妙。

動画内では、家を売却しようと検討していた所有者の弟さんが自死した後、第三者が内部を撮影し、住所と偽名を記載して心霊スポットにばらまいたのでは?と推測していました。怪現象が起こり、さらには自死も発生した、いわくつきの一軒家。これを誰かに押し付けたいのであれば、インターネットの力を借りて、事故物件に住みたい人を募った方がよさそうなもの。心霊スポットに肝試しするオカルト好きを対象にするのは理解できるとはいえ、手段そのものは非合理的だと言わざるを得ません。

そもそも、家から聞こえたとされるお経の正体は?売却予定だった家のはずなのに、物が散らばっているのは何故なのか?階段に線香の灰があるのは?不動産会社に送るものである階段の写真に、人の足がある理由は?そして、なぜアルバムにある写真と、遺影の弟さんは別人なのか?

取り上げればキリがないほど、謎の連続。そして、これのどこまでが嘘で、どこまでが本当なのか。すべてゾゾゾのヤラセなら、化け物レベルの企画力ですよ。写真から家から、何もかも用意してますからね。しかし、一部でも本当なら、怖すぎて「頼むからヤラセであってくれ……」と願うレベル。編集もすさまじく、プロがやってません?と思うほど。このレベルの作品が無料で観れるんですから、すごい時代になったものです。


この動画以外にも、ゾゾゾチャンネルでは心霊スポットへ体当たりロケを敢行し、おぞましい現象を記録した動画が配信されています。

(この辺りが自分のおすすめ)

いやー、すごいものに出会えたな、と。ゾゾゾチャンネルの新作配信が、先月の1日以降されていないのですが、早く観たくてたまりません。ホラー番組レベルの編集力、個性的な登場人物、頻発する異音や声。高いクオリティの動画を配信されているチャンネルだと思います。

こういったフェイク・ドキュメンタリーが好きな方、知らなかったけど観てみたら面白かったという方、ぜひぜひチャンネル登録を。増えれば新作配信されるかもしれないので(オイ)。

まぁ、一番怖いのは、アラサー無職の現実そのものですけどね……