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『ペルソナ5スクランブル ザファントムストライカーズ』の感想など。

※極力避けていますが、ネタバレが入りますのでご注意ください。


どうも、おはこんばんちわ。前作の『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(以下、P5R)に引き続き、『ペルソナ5スクランブル ザファントムストライカーズ』(以下、P5S)のストーリーをクリアしましたので、その感想を書いていきたいと思います。

結論から先に述べますと、ペルソナ5の続編としては真っ当な出来だし、アクションとの親和性の高さを証明していると思うけど、作品単体として見たらそこまで自分には刺さらなかったです。


1. 良かった点

アクションゲームの『無双シリーズ』などを製作しているオメガフォースとのコラボ作品だと聞いたとき、ペルソナと無双ってかみ合うのか……?と疑問を抱きました。でも、きっちりペルソナとしての雰囲気を残しつつ、アクションRPGとして新生したのは、本当にお見事。前作『P5R』と同じくシンボルエンカウント方式(敵に接触すると戦闘開始になる)でありながら、その後の戦闘はちゃんとアクションゲームに移行して、何体か湧き出てくるペルソナ達を主人公たちが戦って倒します。

本作『P5S』では、所有しているペルソナのスキルを選んで好きなタイミングで使えるため、相手の攻撃を牽制できたり、うまくいけば一方的に攻撃することも可能。ただ、自分は難易度ノーマルでプレイしましたが、バフ・デバフやSP(スキルを使う上で必要なもの)の管理、レベル調整を怠ると、普通に負けます。脳死で弱点のスキルを連打するだけではすぐにSPが底をつくし、アイテムを使用してスキルごり押しもできないことはないけど、コスパが悪い。かなり考えさせられるバランスとなっています。

ボリュームもいい。リクエストというサブミッションもあって、それをクリアしながら進めていると、平気で時間が吹っ飛びます。下手なのもあって、41時間かかりました。

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また、『ペルソナ5』の後日談であるため、またキャラの掛け合いが見れるのは、ファンとしては嬉しい面があって。大学生になった真と春、それぞれ進路に迷いつつも自分の道を進もうとしている竜司と杏と祐介。引きこもりを脱却し、学生生活を送る双葉。それらが夏休みの最中に全国を回りつつ、時に青春、時に怪盗をやっているのは、とても『ペルソナ5』らしくて。ああ、戻ってきたなぁ。そんな気分になれました。

そして、新キャラの長谷川善吉とソフィアも、しっかりストーリーの中心的存在として機能しています。公安所属で、怪盗団をうまく使おうとするズルい大人である善吉。実は暗い過去を持っていて、それを断ち切るために立ち上がりペルソナを覚醒させる描写があるのですが、これがアツい。また、AIでありながら「人の良き友人」を自称するソフィアも、人を知って自我を持っていく過程があるのですが、王道かつ良い展開でした。

加えて、BGMもいい。『P5R』もよかったけど、今作はアレンジを利かせたものもあり、そっちも良かった。サントラは初回限定版にしか付属せず、音源は一定期間後に販売するらしいので、早く出てほしいところ。


2. 個人的に刺さらなかった点

UIが残念。前作の『P5R』では、主人公のジョーカーのイラストを交えながらメニュー画面が起動するのですが、それがサクサク動くしカッコよくて。くどくないオシャレさがあったのですが、今作はくどい。ジョーカー以外のキャラも登場するのですが、そのせいで冗長になってしまい、メニュー画面を起動するもテンポが悪い。特にEQUIPの画面。何で装備変更にこんな間が空くんだ?という。この辺がちょっと残念。

また、ストーリーもそこまで……。『P5R』の感想を書いたノートでも述べましたが、追加要素である三学期のボリュームの少なさが不満でした。でも、主人公たち怪盗団が悪い大人たちに向けて行う『改心』(人を暴走させている欲望を取り除くこと)を、世界平和のために使おうとするラスボスとの戦いがあって、ある意味コインの裏表のような存在である主人公たちとラスボスのやり取りは、個人的に悪くなかったなと思ってまして。そして、前作で主人公たちはやりきってると思うんですよ。自分たちの行いに対する葛藤とか、ヒーローとしての自己存在の確立とか。同じ『改心』を使い、思いも非常に似ているが、その使い方で対立する流れも含めて。

故に、「悪人のように見えて、実は何らかの犠牲者である者が、『改心』の力を悪用(利用)する」物語の過程が、どうも前作を薄く引き伸ばしてるように思えてしまって。無論、善吉やソフィアのようなキャラや、怪盗団が再度行いを振り返る流れもあって差別化はできてるんですよ。あと、大衆への扱いの違いとかも。ただ、結局ラスボスはこうなるんかい、みたいなのもありまして。どうも刺さらなかった。

あと、肝心のアクションですが。面白いのは面白いし、コマンド入力のバトルをうまくアクションに転用できてると思いますが、飽きが早い。特に爽快感がないといいますか、コスパを気にしなければアイテムごり押しスキルごり押しでどうにでもなってしまうし、スキルのSP消費えげつなさすぎて、塩梅がどうにもよくない。上手く相手を嵌めて戦術的優位に倒す!という気持ちよさはそこまでなかったです。

そして、時系列的に仕方ないのですが、『P5R』の新キャラ含め、他の登場人物がほとんど出ないのは切ない。薬を販売してくれてた武見先生とか、ミリタリーショップの店長の岩井とか。特にコープで非常にいい話だったこの二人だけでも、どこかで出てほしかったなぁ。


3. 総評として

面白くないわけではなかったのですが、そこまで刺さるものではなかったかな、と。どうしても「ジュブナイルもの」としてストーリーの構造が似通ってしまうのは避けられないし、むしろ上手くやってると思いますが、どうも食傷気味で。ただ、間違いなく『ペルソナ5』シリーズとしての概念をしっかり形にしているし、実際ペルソナやってました。なので、思い入れのある人は触れてみる価値ありだと思います。

とりあえず二週目に入るために必要なミッションをこなすモチベーションが切れてしまっているので、少し休んでから判断したいと思います。『P5S』の二週目に関する記事が出なければ、そういうことだと思って察してください(オイ)。


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お読みいただきありがとうございました。