旅立ち

人を集めることで
自分の価値を証明しようとする生き方を、

人を変えることで
自分は生きていてもいいのだと
存在を確認する生き方を、

ようやく、手放す覚悟ができたよ。

わたしはもう、
使命を全うしようとすることを、充分やってきた。

使命を果たさなければと、
使命を知りたいと、
生まれてきた意味を知り、それを為さねばと、
探し求め続けてきたけれど、

もう、探さなくていいんだ。

わたしはもう、
書くことで世の中を変える、
人に影響を与えることは、
前世(か前前世?前前前世?知らんけど)で、
やり切ったんだって。

書いて書いて書き抜いて、
命を削って書き殴って、
それで世の中を動かすことに、
人々を救うことに命を注いできたけれど、

それは心が常に獄中にいるような人生だったってさ。

ひたすらに使命を全うする人生は、
常に気が休まらず、
世間の動向に一喜一憂し、
追い詰められて
遂には自ら命を絶ってしまった。

だからこそ今世では、

表現の自由が許された、
安全な国と時代を選んで、

遊ぶように、遊びながら、
書きたい時は書き、
踊りたい時は踊り、
寝たい時に寝て、
何にも縛られず、自分を楽しんで生きる

その表現の一つとして、
書きたい時は書いていたい

それができる場所と時代を、
選んで生まれたんだってさ。



だって、

わたしが苦しみながら書いたものを読んだ人が、
苦しくならないわけないじゃない。

どんなに世界を変えようとしても
どんなに誰かを救おうとしても


わたしがそのために
命を削り、自らを追いつめ、
苦悩の末に生み出したものには、

苦しみの波動が乗ってしまう。

苦しみの連鎖を次に繋いでしまう。

その時は、それに気付かなかったよ。

今世で、ようやく、それに気付けた。

だからね、

もう、いいんだ。

言葉で伝えようとしなくても、
言葉で救おうとしなくても、
言葉で変えようとしなくても、
言葉で何とかしようとしなくても、

もう、言葉を、文章を、手放していい。

もう、自由なんだよ。

書いても書かなくてもいい。

書かなくちゃ、を、手放していい。


命を削って、書かなくていい。


本当に、自分が楽しくて、書きたい時だけでいいんだ。

書かないとわたしが消えてしまう、なんて

書くことでわたしは生きている、なんて

幻想なんだ。そんなことはないんだよ。

もう、大丈夫だから。

ねえ?わたし。

書くことから、自由になっていいんだよ。

書かなくても、生きていいの。
幸せになっていいの。

書かなくても、幸せになってもいいんだよ。


何かあったとき、

ちゃんとしなきゃ、

わたしがちゃんとできなかったせいで、

と、

もう自分を責めなくていいんだ。


今度こそちゃんとしなくちゃと、
自分にまた足枷を嵌めなくてもいいんだよ。

自分が楽しむために、

ただただ、自分を喜ばせるために、

今世は、そのために、この環境を選んで来たのだから。


そこに遠慮や罪悪感はいらないんだよ。


あなたがその環境でまだ、

いや、わたしはちゃんとやらなきゃいけない

と自分を縛っていたら、



わたしは悲しいよ。




ねえ、どうか自由になって。

あなたは自由だということに、気付いて。



その自由を受け取るのに、

資格も、役に立つことも、頑張ることも、
ちゃんとしていることも、
誰かに選ばれることも、

何もいらないんだよ。

あなたはもう、受け取っていいの。

苦しむことは、もう充分にやってきたのだから。

もう成果を出そうとしなくていいんだよ。

認められるに値する、
楽してもいいと許可される、
免罪符はいらないんだよ。

今すぐそれをしていいの!


これから始まる、人生の後半、
残りの約50年は、

何かのために生きなくていい。


ただただ、その瞬間、瞬間を喜んで生きて。

50年間、ずっと、喜びの中で生きて。


泣いている時も、笑っている時も、
いつだって魂の至福の中にいて。

そこに、条件はいらないから。

どうか、わたしよ、
ここで気付いて受け取っておくれ。

上手く歌わなくていい。
気持ちよく声を出せばいいの。


誰かに聴かせなくてもいい。
わたしに聴かせて。


一瞬の成功のために歯を食いしばるよりも、
その瞬間、没頭して夢中になれることをして。


家族を愛して、
住む家や花や空や服や匂いや空気を愛して、
食べることを楽しんで、
好きな髪型をして、
さあ今日はどうやってわたしを楽しませようかと、
わたしをどこにデートに連れ出そうかと、
ワクワクして目覚めて。

たった一人しかいないわたしを、愛して。

今まで、よく頑張ったね。


ここで気付いてくれてありがとう。


これから始まる新しい人生が、
愛する家族と仲間とともに、
喜びの中にありますように・・・

ここへ至るまでのすべての学びと経験、
出会い導いてくれた存在へ感謝と敬意を。

2020.11.20
生越 絵里子

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