『ノートパソコン』#150

買い替えや複数使いを通して、ひとはいったい何台のノートパソコンを使っていくのだろう、というふうに思ったいま、iPhoneでなくノートパソコンからこうして文章を打ち込んでいる。一連の文章群はざっくり想像して95パーセントがiPhoneから書かれていて、残り5パーセントくらいがこうしてノートパソコンから書かれたものかと推測する。151本あるうちの5パーセントということならば、7,8本くらい。確かにそんなくらいだ。130番台の数本と、今回のと。前にも書いた通り、文章を打ち込む速さとしてはノートパソコンのキーボードの方がうんと速い。最近あまり使っていなくてキーボードのタイピングが甘くてミスが多いとはいえ、iPhoneのフリック入力はいつも使っていても一定のタイピングミスはあるのでミスの量とロス時間については差異はない。
ノートパソコンを始めて所持したのは大学1年生の夏頃だったか、設計製図の授業で建築設計用のCADの課題が出たとき。大学にもCAD室があってそこで製図をすることも可能だったようだが、誰一人、身近なところでも遠いところでもほんと、誰一人使っていなかったんじゃないかってくらい、みんな自分のパソコンを用意して(あるいは家にあるパソコンを使用して)CAD課題を乗り越えた。そのときの課題は、前川國男の自邸「前川邸」の平面図、配置図、断面図、立面図これらを原図をもとにCADで製図する課題だった。その製図課題ののち、その自分の製図した図面を使っての模型作り課題が出た。中学ではフロッピー、高校ではCDだったが、ここにきてついにUSBフラッシュメモリが火を噴く。「自分で製図したCAD図面を印刷したい」。これが模型課題の一番の問題だったように思う。プリンタを持っていないから、大学のメディア基盤センター棟(メディ基)に行って、他学部のパソコン利用者に混じって印刷を試みる。だが、最初の関門、CADのデータをそっくりそのまま自分のパソコンから持ち出してきたが、そのCADデータを開けるCADアプリケーションは大学共有のパソコンには無い。なにせ建築CADを使う人間は建築学科以外いないしCAD室がある。だからといってCAD室を使わない理由はそれはそれであって、噂で「CAD室のパソコンにはウイルスが蔓延していて使わないほうがいい」という病原隔離棟みたいな存在であるため。だからなんとしてもメディ基のパソコンで、、ということでCADをPDF化する方法を得る。そして安心して出力をする。ちなみにこのとき、CADの用紙設定、CADをPDF化、PDFを出力、これらの過程で用紙サイズのA3とA4とで間違えて紙とポイントと時間を無駄にすることしばしばだった。
そんなノートパソコン初代を使っていた時間はあまり長くなかった。大学4年の卒業設計を控えて、学生のなかで高性能なパソコンに(しかもMac)に買い換える機運が高まる。これはどうやら毎年発生するイベントらしい。意匠系研究室の人間でもあったわけでその流れに乗って、MacBookProの15インチを購入。メモリを当時最大(だっけ)の8GB、ストレージを750GBのHDDにアップグレードした(SSDは当時高すぎる上に容量が極めて小さかった)。2012midでOSはLion。ギークな方々は前OSのSnowLeopardが最高だ云々と言っていたけれど初Macの私は、Macがそもそも備える直感操作性の高さと画面の高精細さにただただ魅了された。
いまでもそのノートパソコンを使い続けていて、先日iPhoneの買い替えのためにとOSをEl Capitanにアップグレードした。だいぶ動作が重くなってしまってはいるが問題なく、以前から続くメモリ不調とも付き合い続けながら7年目に入る。あぁ軽いMacBookAirがほしい。そう常々思うがもう持ち歩くことはないのでただ、思うのみ。

#ノートパソコン #180517

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?