『駅ナカ』#12

品川駅ecute2階の本屋、ペーパーウォールは重用(といっても、立ち寄り8割の購買2割)している。乗り換えがあれば寄り、沿線で時間があるならば途中下車して、寄る。電車のホームからいくらか離れていて、冬場は寒くないし夏場は涼しいし。何より選書と見せ方と、お店自体のサイズ感がよくて、感覚的には5×8メートルくらい、両サイドとその間1.5メートルワイドくらいの本棚が並ぶ。購入した中で新しいものは、河出書房のムック本『五十嵐大介 総特集』。2014年のもの。以前に『海獣の子供』と『SARU』を読んでて、数ヶ月(一年?)前にEテレでやってた『浦沢直樹の漫勉』の五十嵐大介ゲスト回から、熱再燃してた。それから先の総特集に出会って、『はなしっぱなし』と『魔女』を買ってしまった。それも、品川。特に『はなしっぱなし』は、「漫画はキャラだ」「漫画はストーリーだ」などいうお題目はまったく通らない。とにかく絵。あるいは画、もとい、線。
さて、話が五十嵐大介漫画に入っていってしまったけれど、駅ナカでは先の本屋を初め、立ち寄ってしまう店もそこここにある。とまぁ、それだけでもない。
駅ナカの店を意識し出したのは大学生の頃だと思う。なにぶん高校の頃は一駅しか乗らなかったから駅ナカには何も用がない。千葉へ通うのに、東京駅か品川駅で乗り換える必要があった。東京駅は、7番線から、地下ホームへ。地下ホームから、10番線へ。品川駅は、…忘れた。とにかく、ホームとホームの間にはニューデイズとキオスクと立ち食い蕎麦屋以外の店があるとわかった。もはや、ショッピングモールに電車のホームがくっついたようなもん。そこを脱兎のごとく駆けて、茶みかんから総武ブルー(こんな呼称は無い)。ただし大学生、駅ナカを知ったとはいえ、だいたい遅刻しかけて急いでいたし、早く向かいたかったからお店にはほぼ寄らなかった。
往来の余裕ができて、先の品川駅然り、西船橋駅のベッカーズや無印良品、立川駅の本屋とおにぎり屋さん、、挙げればキリがないと言いたいところですが挙げるのに精一杯でもありました。存在感と利用頻度の感覚に比べて利用箇所数は少ない。
移動時間に差し挟まれる自由時間とも言える電車の乗り換え、普段は最短経路と時間で繋いでいても、ちょっとした冗長性をもたせてみてもいいなと思える場所ができるといい。
そういえばちょうど3年ほど前、浜松の中田島砂丘に友達と行こうと話をしたとき、品川駅に集合して東海道線で一緒に向かおうと決めて、待ち合わせをしたとき。少し時間があったのでお約束のように本屋、ペーパーウォールさんに行ってブラブラしてた。電車で読みたい本や砂丘で読みたい本があればと物色していたなか私が手にして、迷わずレジへ運んだものが600円のハーモニカ。HOHNERので、かわいい緑色。砂丘にぴったりな音と、カッコつけ気分に浸れた。有難い出会いでした。
今回のノートは最早、ペーパーウォール品川エキュート店へのお礼状。大変お世話になっております。

#駅ナカ #171227

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