『ひねり揚げ』#284

これ、商標だったら弱るけど、綱揚げとかって名前も見かけるし、ひねり揚げって名前で何社かのパッケージを見かけたことがあるからたぶん一般的な呼称としていいよな。「好きなお菓子はなんですか」と聞かれたら、「ポテトチップスです」と答える。そう、ひねり揚げは、ナンバーワンとしてどんな時でも選ぶ菓子ではない。個別性の話。特定条件下での、ニッチなナンバーワン、としてひねり揚げがある。
このあいだ花火大会のときに彼女と、いつがきっかけだったかって話をしたことを覚えてる。そのことは覚えているのだけれど、その一番最初のひねり揚げシチュエーションを思い出せない。いまも思い出せないし、そのときも言われるまで思い出せなかった。深夜散歩か、ピクニックのお供だった気もするし、花火大会だった気もするけれど、なんか夜のお供だったような、うすらぼんやりとした記憶。夜といってもこう、ロマンティックでムーディな場面のそれではなくて、穏やかな夜長を楽しむビールと合わせたような、そんなような。増上寺だったかな、そうだったかな。
軽いサクッとした食感と、つまみやすい形状と、ひねられて表面積の増えたところに甘みのある塩がまとわされていて、ひょいひょいと食べ進んでしまう。一袋で80gくらい入ってた気もする。なかなかのカロリーと塩分量なように思う。それでも文字通り、音通り、サクサクと食べ尽くしてしまう。だいたいは塩味。ときどきバター醤油味やえび塩味など変わりダネが出ていて、どれも外さない。派手な冒険にでることもなく、ちゃんと美味い。
この文章の締めを「結局、なんのひねりもない文章に」とオチをつけようかと思っていたんだが自分自身で途中でわかってしまった（なんていうか、そう、オチをつけるっきゃないよね、みたいな）ので止める。
ひねり揚げってどれくらい、認知度と、食べた経験数があるんだろう、コンビニの陳列棚で消えたことはないし、大手三社のコンビニのどこででも見る、と思ったけど青いとこでは買ったことないな、あやしいわ、けどプライベートブランドで置いてないだけな、気がするな、あるいは名前が違うか、綱揚げ呼びとか。
朝に書いていた文章も間を挟んで夜になって、帰り道のコンビニに目がとまる。私の最寄駅からの帰り道にあるのは幸いなことに、赤と緑。

#ひねり揚げ #180928