『ジーパン』#177
ジーンズ、ジーンズパンツ、Gパン、デニム、ジーパン。語源やら表記やらでよくわかんなくなるけど、自分があの、デニムのズボンのことを言うときはジーパンと言うので、ひとまずここではジーパンとする。これまで、何本穿いてきたんだろうか、という疑問がふと浮かんで、書いてみる。
赤ん坊は少し違うけれど成長に伴って、立って歩くようになって情緒が芽生えていくうちに“服装”は親が選ぶものだったり次第に自分で選ぶようになったり変化はあって、制服として着るスラックスやワイシャツや、スモック、学ラン、ブレザーなど固定のものとは別にして、選んで着る衣服ではTシャツとジーパンは、世間の流行り廃りと、自分の中での流行り廃りとで周期的に“よく着る”時期がある。そう思う。わたしは、中学生になるくらいかで、はじめて「(親が買ってる)家にある服を着る」習慣から「着たい衣服を選んで買う(正確には買ってもらう)」ことをした。それまでに、親が買ってくるもののなかで、選ばず無頓着に着る流れから、かっこいいなと思ったものを好んで着るようにはなっていて、次の段階。そのときに買ったのが、グレーのチェックのネルシャツだった。ジーパンではない。イトーヨーカドーで、日曜日の家族での買い物に訪れていたときのこと。秋ぐらい。Tシャツの上にネルシャツを羽織るのが、友達の間で言葉にはしないけれどかっこいい風な認識になってきて、暑がりだった自分もその流れに乗るように、羽織るシャツを求めた。そのときの親には説明とかもしないで「ほしい」と話したとき、妙な感じで「へぇ、これ。これねぇ。うん、いいよ」と承服した感じはまだ思い出せる。それからは時々、願ったり願わなかったりとファッションの関心の波があって、それからのこと。高校に入るか入らないかのとき、自分の財布を持ってショップを訪れて試着をして購入した原体験がある。ショップは、やっぱりというか今振り返れば「そのころはそうだよね」というポジションだろう、ジーンズメイトだった。そこで、淡いインディゴのジーンズを買った。ゆったりめのストレート、中学生にありがちなボンタンじみた太さは卒業しつつもタイトな着こなしは心得てなかった頃、ウエストは31インチ、あのころもいまも、適正なウエストは27か28で、ベルトで締めて自然とワンタックできてしまう。ファースト、マイジーパン。丈直しで15センチくらい切った。
それから、友達から買ったブーツカット、古着屋で買ったユニクロの濃いインディゴのストレート2本(500円とかで、安いからって2本買った)、ストレッチ素材のサルエル、リーバイスの501のブラック、とか、頭の中で数えるに15本弱。10本くらいかも。
当然すり減ったり穴が空いたりして衣服というものは捨てて新しいのを購入したり継を当てたりしていくものだけれど、こと、ジーパンについては捨てたものもなければ穴が空いたものを直したこともなく、ずっと、タンスに収まっている。コレクターというほど意識も高くないしお金もかけていないけれど、何かしら、使い続けて味が出る衣服なんだと思えるものだなと、思う。
ちゃんと、数えようと思えば全て数えられるんだ。
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