『でっかい』#332

大きい、で書こうと思ったのは十数秒前、直後突然に脳内で、モー娘。のあれが流れた。歌い出しのフレーズ。
でっかいでっかい宇宙にある、まーるいまーるい地球で。
ちっちゃなちっちゃな思いやりが、でっかなでっかな愛となる。
これ。よくこんなにくだけた歌詞を、作詞できるもんだなと感服した。いきなりなんのこっちゃと思うけど思考はいつ何時どこへ接続していくかわかったもんじゃない。サッカーボールくらいの大きさの頭の中にもでっかいでっかい宇宙がある。相対的宇宙。
ふだんなかなか使うこともないし、大きい、ってだいたい言うし、せいぜい、でかい、とか、ばかでかい、とか、促音抜きの「でかい」呼びをするから、とても新鮮な単語なのだ、「でっかい」。基本というかオリジナルの単語は「でかい」なはずだが、促音でリズムを変調させるのが目的なのだろう、わたしはでっかいという時にはそういう目的で使う。やっばい、とか、すっごい、とかもそう。タメをつくる。だから、おっきい、もそうだ。喋るときのリズム、それと強調、そんな使い途。
でっかい音でスーパーカーの曲を部屋いっぱいにかけ続けていたい。これは知ってハマった当初から思っていたこと。大学の製図室でパソコン作業や模型作業をしながら、開いたブラウザのyoutube画面で、当時はアップされていたラストライブの動画をずっと流して、ただそれはイヤホンをさして聞いていたのだけれど、とにかく耳と脳を音が支配するあの、感覚、スーパーカーが抜群によかった。相対性理論も同様の支配感を持っていてやたらのミスパラレルワールドを流していたけどまぁとにかく、でっかい音を部屋に充満させたい。かねてからの希望。
それと、部屋にはでっかい書棚がほしい。ここ最近はかなりセーブしているけど、本を借りるより買ってしまう私、新品であっても古本であっても、読んで満足したとしても、所有したいと思ってしまった本については可能ならば買おうと、思ってそうしていて、本棚にいまやおさまらないどころか床とベッドの上にまで山積みで、山は連なり山脈を成し、広大な山並みを見せる。そのうち人間が寝る重量を超してしまうのではないかと思う。ならば頑丈で格好の良い、でっかい書棚が欲しい。いっそ、書斎。
その欲望がある私には、昔から大した夢がなく、「将来の夢」を問われてもなんら答えられる中身をもっていなかった。まったくちっちゃな人間で、先のことはわからないしやりたいこととか夢とかもそのうち出会うならばいいなと、その日暮らし(?)の日々を続けていま28年が経過して相変わらず、ちっちゃな人間。相対的宇宙だけ、頭に抱えて。

#でっかい #181115

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