『ホットドッグ』#212
ハマっている。完全に、どハマりしている。毎日どころか毎週食べてるというほどでもないけど、ホットドッグの魅力にやられねしまった、という事実には一切偽りがない。
事の発端はベローチェの340円のホットドッグだし、継続的に食べているのもそのベローチェのホットドッグだし、序盤の少なくとも3本くらいはベローチェの、だし、とにかくハマったきっかけもハマったドッグもベローチェなのだ、という事実には一切偽りがない。
時期がいつだったか、半年前かあるいはもう少し至近か、定かではないけれどホットドッグの販売とそれに合わせてスクラッチキャンペーンをやっていた。ホットドッグ一本買ったらスクラッチ券一枚。削った中身は、ホットドッグ一本無料、100円びき、50円びき、ハズレ、この4つだったと思う。はじめに買ったときには100円びきが当たった。ホットドッグはプレーン340円、ほかにトッピング系がチーズ、チリビーンズ、カレー、ポテトサラダ、この4つあってそれぞれ390円。つまりベースが340円でトッピング50円。それで100円びきが当たったからにはトッピング頼んでも得はするし空腹のときなら食べて然るべき時だと思いチリビーンズを頼んだ。これがまた、うまかった。そのチリビーンズの時は50円びきが当たった。完全に呑まれた。
だからといって懸賞目当てでヤマザキ春のパン祭りに参加するほど倒錯してないつもりなので、あくまでホットドッグの旨さが決め手だったとそこは確信を持って言える。長さは20センチくらいで、縁日のホットドッグとかよりやや大きい。ライ麦か全粒粉かなにかのパンで、粉に詳しくない私でもひとまずコッペパンでないことがわかる外サクパリの中モチモチな旨さ、しかも軽くトーストしてあってこれがいい。モチモチなんだけど、硬さと弾力の合わせ技って感じで、単なるもちぽよ系ではない。そこに薄く千切りキャベツが挟まれてその上、どんとソーセージが乗る。パンと同じぐらいに長くて、外の皮は薄いけどパリッとしている。中の肉は柔らかいけど粗挽き、加えて肉汁さえある。キャベツとパンに滲みる。なおうまい。ケチャップはなくてマスタードだけ。デフォルトのその組み合わせがパンとソーセージとキャベツにぴったりくる。ケチャップ無しのマスタードに目覚めるのはこれきっかけだった。
それまではホットドッグを率先して食べる事なくて、だいたいバーガー屋さんの別メニューとして、柔らかいパンと一緒な記憶であまりそそられなかった。でも、パンがうまいソーセージドッグならこうも旨いのかと、うまいホットドッグをこれまでせっせと作ってきた人間にまで想像を広げてありがとうと心で思った。それからはファーマーズマーケットとか近所のおいしいコーヒー屋さんとかで時々頼んで楽しんでる。
いまもベローチェで、一息に丸呑みするように、ホットドッグをコーヒーと味わっている。作り手への憧れと夢想が湧いた、ひとつの仕事。
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