『打率』#52

ひとつ前のnoteが51番だったことにつられたわけじゃない、と言ったら嘘だ。スーパースター・イチローは物心ついた頃からスターだった。今回の文章で、イチローについては敬称を一度もつけないのですが変に思わないでください。
日産の、お年玉みたいなやつだったと思う、円形のトランプが当たった。小学生の低学年ごろだったと思う。そこにはオリックス・ブルーウェーブのユニフォームを着てバットを立てて持ったイチローのバストアップ写真が使われていた。その頃はWikipediaによるとイチローが首位打者を数年間連続で獲得していて毎年3割4分を下らず、出塁率は4割を超えている誠に凄まじい存在だったようだ(その頃の認識は「取り上げられてるすごいひと」でしかなかった)。野球を始めた小3からはちょうどイチローはメジャーリーグに挑戦して大活躍をしていた。ペプシのCMはかっこよかった。打って、走って、守って。
ことプロ野球において打率、安打率はシーズン通しておよそ3割から2割5分くらいが多くを占める。10回打ったら3回ヒットが出る、という確率。4割が、これまで何人かが惜しくも届かない(というか、序盤の4割超えをキープしきれない)悔しい数字。ちなみにイチローのデータをまた引くと高校通算打率は5割、2回に1回はヒットを打ってくれると。
いま、打率が気になったのは背番号51番イチローが思い出されたからって理由だけではなくて。こう千文字ぐらいずつ書き続けている中、読んで面白いもの、気持ちよく書ききれたもの、これら打率はどれぐらいなのだろうかと思ったんだ。そして、どれくらい打ち損じて凡打を重ねてきたのか、バットに当たって前に飛びさえしないものだってあったろうな、空振ったものもたくさんあったろう。ここ数日、ちょっとばかし悩んだ。「面白く書けないし、そういう時間とムードに入れない」し、「面白がれる題材で毎日書き続けるのが難しい」、ということで一案、「面白いと思える文章だけを、日にち関係なく、書けたら投稿する」というスタイルに変更すること。note全体の質を下げることを案じて、こう考えた。初見でパッとリーチして、ただタイトルだけで気になった文を読んでみて、この初球での安打率が低くなってしまうのは結構良くないことじゃないかと思うのだ。実際、わたしなら2、3本読んで当たらなかったら見限る。
とは、いえ。当初の最大の目的を変えてしまうのは嫌だなということでそうせず、一日千文字ぐらいずつ積み重ねていくことを続けようと、落ち着いた。シーズン何試合あるかはわからないけれどこれは、ペナントレースのようなものでしょうかね。スランプだってあるよね。
と。自分を納得させる方法っていくつでもある。
最後に。『イチローに糸井重里が聞く』という本に書かれていたこと2つを。イチローにとってのスランプの定義とは、結果が出ていないことではなく「感覚をつかめていないこと」。ピッチャーの投げた球を「打てる」という気がしない状態を言うそう。そしてもう一つは、スランプを抜けるきっかけはヒットやホームランでなく凡打にあるそうで、「打てた」という感覚でなく“「凡打をして、その凡打の理由がわかったとき」。こういう体の動きをしてしまったから、こうなったんだ。そういう答えが見えたとき”にあるそうですよ。

#打率 #180208

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