『草食』#290
草食男子、肉食女子。“普通”と逆だと思えてしまうから“あえて”わざわざくっつけてる単語にちくちくと気持ち悪さを感じるのもそれは過去のことでこの二つの単語自体も普通、そう普通の言葉になってしまったからただのジャンルとして受け止められる今。それでも、肉食男子はただの優良健康児だし、草食女子は食生活の整った健康女性かなあるいは糖質ダイエット中かしら、なんて思うからどうも普通に食生活のことを考えてしまうし、恋愛観に結びつけては先んじて考えない。
転じて、草食動物と肉食動物について、メインの単語である動物が同一なのだから、これは同時に発生した言葉であってほしいなって思ったりなんだり。
人間にも、草食、と言って差し支えないのかどうか、いささか自信を持てないけどそのような性質の人がいる。肉を食べないで、野菜や果物、穀類を食べる。どう特定したらいいのかわからないが「肉類を食べない人」なのか「野菜・果物・穀類(ほか)だけを食べる人」なのか。性質、というと身体、消化器官の構造上の理由って感じがするから宗教上の理由とか主義主張のための理由とか極めて偏った食の嗜好であるとかの、精神上の理由も含めてどう表現したら良いかわからないのだけれど、ひとまず性質にさせてもらって、食べない性質なのか、食べる性質なのか、その点が気になっている。
草食動物は、身体の構造上の理由が、今もって考えられている理由であるけど、それでも「草が好きでそればかり食べたかったから」草食動物の構造になったのか、誕生した起源の段階で既にそういう「草だけ消化できる(実は肉を消化できるとかだったら不正確な書きぶりになってしまうな)構造だから」草を食べているのか、その真相を知りたいところ。書き終わったら調べよう。
じゃあ、草食男子は体内構造的に草食なのか、草を食べるのが好きで草食になったのか、いやもちろん比喩として。
男子かくあるべしという“普通”が、意中の女性との深いスキンシップに貪欲であるとか好意を積極的に伝えようとするとか、そうイメージづけられているのに対して、草食男子はその逆、というわけではないのがキモなんだろうな、個人的な思いで締めくくりますが、積極的に好意を伝えることへの拒否反応を想像して怯えているのが草食男子の一側面であろうし、もう別の側面はそもそも積極的に好意を伝えることや深いスキンシップを志向しない、友達以上には親密さを持つけれど穏やかな付き合いで十分と考えているとかだろうなと思うわけで、つまり草ばっか食ってるわけじゃない。
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