『モーニング』#219

字義通りならば朝。意味するところは外でいただく朝食。
仕事前には基本的に、九割九分、家で食べて出る。朝食はしっかり食べる。子供の頃から意図せず家族由来で続いてきた習慣で、まさに「朝ごはん食べないと力が出ない」体なので、しっかりというかがっつり。
牛丼やさんやファミレスのワンコインモーニングセットはあまり馴染みなく、モーニングといえば喫茶店、なイメージが強い。自分の年齢がよくわからなくなるな。イメージはあだち充の南風だ。
旅行を除いて、ふだん外で食べることのない朝ごはんを、モーニングに変えるのにはそれなりの引力が働いたことが決め手にある。このあいだ書いたベローチェのホットドッグをこんどは朝に食べたいという欲求だったり(まさに喫茶店モーニングだ、トーストじゃないけど)、夜も働いて疲労困憊で帰ってきた朝、帰り道の立ち食い蕎麦屋で「かき揚げそばを食べたい」と思う塩分&脂肪分摂取の欲望だったり、近所の好きなコーヒー屋さんが普段は平日だけで休日は朝営業やってないところ偶然に開けてて休日モーニングにありつけるとわかったとき、とか。
普段の生活に無いってのがキモなんだと思っている。日常的に採ってるものは無くした時にこそわかるとは言うけれど普段採っていないものは欠かすという概念がなく、たまたま、たまたま何かしらのきっかけで新鮮な刺激と情報が舞い込んで、体験への欲望が現れる。あ、有名ホテルのモーニング無料券、とか。イベント性があるものだ。
近くのコーヒー屋さんのモーニングを食べに、財布を持たずに夜勤行ってた日、帰宅してシャワー浴びて洗濯片してから再外出して、いってきた。どんだけそこ好きなんだよと自分でツッコミを入れたくなる。入れた。とにかく疲れていたのもあって、のんびりしたい気持ちも強かった。「モーニング」。半切の厚いトースト、一本のソーセージ、そして一枚の目玉焼き。熱くてたっぷりとしたホットコーヒー。ゆっくりゆっくり食べていた。噛み、噛み、噛み。親不知を抜いてからまだ、二週間、とにかくよく噛むようになった。元々も、それなりによく噛んで食べていたし、それ抜きでも食べる速度は極めて遅かった(あれ、そういえば「遅い」と言われていたのも大学までか、いまはわからぬ)から、さらに増して、ということになる。日差しは少しずつ高くなって、道路側の窓辺席で食べていたから商店街が明るくなって人通りも増えていくのがわかった。ひたすらのんびりして、途中で甘いものも食べたくなってチーズケーキ(パイナップルとココナッツ、最強ペア)もいただいて、本も読み環世界について思いを馳せ、10時半ごろからいたのに気づけば13時を回っていた。立派に昼。また帰って、ぐっすり寝た。
私にとってのモーニングはどうやら、休日ののんびり時間溶かし。立ち食い蕎麦でも30分とか食べてたなそういえば。

#モーニング #180725

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