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動詞/Verb

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2019年2月の記事一覧

『乾く』#353

いま、乾くのを待っている。水で書いた毛筆の練習用紙、毛筆の練習に毎回墨を刷ることなしにできるよう用意した水で書ける毛筆の練習用紙、紙というかこれは布なのかもしれない、それが、乾くのをいま、待っている。用紙はひとセットで5枚入っていたので1枚書いたら次の1枚、また次の1枚、と使い回していけるのだけれど、いきおい気合が入ってどんどん書いて文字が大きくなったり点画が気になって何度も書いたりその点画を含む漢字を改めて大きく書いたり、夢中になるとあっという間に5枚を書き散らしてしまい、

『拾う』#348

捨てる神あれば拾う神あり。とはよく知られたことわざですが特にいま人に見限られたとかいうわけでもないのでただ、先の『捨てる』話からひっぱった書き出しの材料で、ここ最近拾ったものって何があったか思い出してみるとそういえばチョコレートの空き箱を、ゴミ箱から拾ったわけでもないけれど、ただ無用になった空き箱を、デザインが素敵だったもんだから「ください」と貰ったことがありましたね、それくらいか、拾い物は。 何か持ち物を落とせば、拾う。食べているチョコチップメロンパンのチョコチップが落ちた

『捨てる』#347

少しずつ、部屋の不要なものや過剰なものを減らしていっている。本ならば古本屋へ持って行っているけれど、着古した衣服やその他の雑多なものものは、袋にまとめて捨てている。かつてゴミなんかじゃなかったものを、ゴミにする、ゴミなんかにする、その、この経験って、子供のうちに体験しておくべきだな、なんてことを思う。「心苦しくて、何通りでも捨てたくない言い訳をこしらえることはできるけれど、それでも捨てなくてはいけないんだ」という経験。それができずにいま、部屋の中は捨てたくないもので溢れかえっ

『ねじる』#342

先の『可動域』の話とややリンクするところで、腕や手首や手先の動作として、回す、というのは比較的容易なことで、ドアノブとか地球儀とか傘とか、くるくるぐるぐると回すことは「回して」と言われたら回し方は色々あれどまあ、回すことができる。けれど、ねじる、っていうのはなかなか難しいよな、と思った。それは、動作するのも、動作させるのも。先のするとさせるってのは、動作を、自分でイメージすることとイメージ通りに手や足を動かすこと、それと、自分でイメージした動きを相手に伝えることとそのイメージ