韓国の自転車事情
韓国に住みはじめて4年が過ぎました。
韓国で感じた日本と違う点の自転車事情をここに記入しておこうと思います。
もし来た時にはご参考にしていただければと思います。
①自転車の種類と使われ方
日本ではママチャリ、クロスバイク、シェアリング自転車、ロード、マウンテンバイクの順番に多くて日常の買い物などの足に使うカゴ付きの自転車が多い傾向があります。
韓国ではマウンテンバイク、シェアリング自転車、ママチャリ、クロスバイク、ロードの順番であまりお店に自転車で食料品を買いに行く人は少ないように思います。
駐輪場が20台ぐらいしか停めれないのですが溢れかえる事もなく利用者が少ないです。
どうやら日本よりも趣味性の高い運動のような乗り物のように捉えられていそうです。
年配の方はマウンテンバイクを使う人が多くみかけます。スピーカーを取り付けて歌謡曲をながしている人もいます。
歩道と車道の段差、歩道自体の敷石が凹凸多いのでこういう傾向があるのだと思われます。
まだ工事中などの凹凸の部分も酷く感じます。
年配の人がサイクリング目的でマウンテンバイクででかける光景をよく見かけます。
日本ではあまり馴染みがないように思いますがチタンフレームや、カーボンバトンホイールのMTBで使用している人がそれなりにいます。
日本よりもロードのようにMTBにお金をかけている層がいるように感じます。
土日になると広域鉄道いわゆる地下鉄や在来線の普通電車の先頭車が輪行袋なしで乗れるようになります。このため行きは自転車で向かい、帰りに地下鉄で帰る光景が多くみられ、漢江サイクリングロード沿線では積み残しがおきそうなほど自転車が乗ってきます。
その数44台で先頭車両は満車になってしまったこともありました。
シェアリング自転車も複数の会社が同じ地域で競争しており、カカオは黄色、他社は赤や青といつまた複数の事業車の自転車がありかなり利用されているようです。
②韓国の道路事情
左側通行とルールの違い
韓国は日本と違い1976年に左側通行から右側通行に変更されました。
そしてアメリカ同様に常時右折可、左折信号は分離型のため直進信号が赤になってから曲がるところが多いです。
このため日本と違い右折は赤信号でも曲がりますし、郊外では左折レーン待機が多いです。
このため右折レーンに待機していると車がやってきてドケとホーンを鳴らされます。
このことから都市部では自転車を乗ることがかなり日本よりも危険に感じます。市バスの停車時間の短さから追い抜く事が困難な速度領域とタクシーの強引割り込みに気を使う事になるでしょう。
また道路の車線数が日本よりもどこにいっても多いです。
都市部だと片側5車線が普通で、基本的には田舎道以外は片側2車線で作られています。
5車線道路の2分岐は3車線と2車線に分かれたりすることもあり中央寄りの走行を余儀なくされます。
高速道路とバイパスで車両棲み分け
整備率は日本と比べると倍ぐらいあるように感じます。それに高速道路は大型バイクであっても通行禁止という法律があるため、バイクと遭遇する比率が高く、大型トラックと遭遇する確率が低いです。
これは片側1車線になるような旧道には大抵信号の前に大型のバンプが設置されていてトラックはかなり揺さぶられるためそこを通りにくくなるためです。
これらのことからうまく車両種別が分離されている点はかなりの安心材料になります。
日本のように高速代を浮かせて下道を走る大型トラックが少ないことを感じます。
ラウンドアバウト
交差点についてはこの4年ほどで急速に信号をラウンドアバウトに置き換えているのでヨーロッパに行った時と同じような感覚でラウンドアバウトに遭遇します。右側通行なので反時計回りです。
旧道
片側1車線のバイパスに並行する道路に関しては自転車有線道路と書かれているところも多く走りやすくなっています。
ただし一部の峠では旧道が廃止されていまってる部分だとバイパス通らざるを得ません。
バイパス
かなりよく整備されています。
日本の新国道4号のような中央分離帯のある高架設計のものが全国に張り巡らされています。
この区間制限速度は80km/hの区間を自転車で走ることになります。
車は並走追い抜きで風圧を感じるほど接近することはありませんが、速度は落とすことはありません。
このことから背面から迫ってくる車をいち早く確認して避ける必要があるため GARMIN VARIAやミラーの装着率は高いです。ロードに乗っている人の自己防衛意識は高いと思います。
また日本のような対面通行のバイパスや高速道路は島を除いてほぼ存在せず、自転車でバイパスを通る事も可能な区間は数多くあります。
この場合自転車追い越し渋滞を作るような困難な事は少ないです。
追い抜いてくる車もギリギリだったり、幅寄せして牽制かけてくる車は日本と比べてとても少ないと感じます。国民性がせっかちで煽られると思ったのに随分と優しいなと感じました。
③自転車道
川には中央線のある自転車道
車線が多くて走りにくい都市部には大体の川に自転車道が作られています
両岸に対面通行型の自転車道と歩道が設置されています。
自転車道は中央線があり対面通行型となっている所が多いです。
危険箇所にはゆっくりなどと描かれていて分かりやすくなっています。
横断歩道の部分位はバンプが設置されています。
道路を横断する構造にはほぼなっていません。
そのために車両ゲートのようなものはほとんどないです。
また交差する部分はラウンドアバウト構造になっています。
道路からの入り口にはポールが1本あるだけでメタルクワガタのような大袈裟な設備はありませんから走りやすいです。
絶対バイクを入れないよりは利用者の利便性が優先されているように感じます。
走行車両
自転車以外の乗り物はも数多く見かけます。
電動スクートのトレインもいますし、単体車輪の電動ナインボット、ローラースケートのトレイン集団、電動モペットなんかもいます。
設備
河川敷にコンビニ、テントの張れる芝生、ベンチ、健康器具、トイレ、プール、バスケットゴール、ローラースケート場、ドッグラン、あるなど公園的要素が高いです。
走行密度とマナー
ロードの集団も30km/h以上出ている事が多いのですが、強引に追い越しする人が日本より少ないので余裕を持って抜いてくれる感じです。
相手にブレーキを使わせない意識は高いと思います。
使わせた場合怒号が飛んできますのでそれでかもしれません。
そうこう密度は常に誰かに追いつかれそうな密度感で走行しています。
渋滞しそうなところは拡幅され、片側2車線拡張されています。
少しでも混んだら拡幅までの工事インターバルが極めて早く、半年ほどで拡幅される区間が多く感じられました。
トータルで考えるとよく整備されているので走りやすいです。
総延長の長い自転車道
サイクリングロードの距離もとても長いです。
小さな小川から河口までは130km近くあります。
しかし人里の少ない田舎の方の自転車道は利用頻度が低い為にトイレなどの設備が希薄で路面もコンクリートで荒れ気味なので28cのチューブレスタイヤでも振動を多く感じることになります。
それを含めても距離を走るには車がなくて良い環境です。
④韓国の自転車店について
主な自転車店
日本と同様にアサヒのような一般自転車のチェーン店として三千里自転車やAltonサイクルなどがあります。
前者はママチャリやMTBが多い気はしますし、後者は電動ルックMTBのような自社製品が多い傾向です。
これらのお店にもロード製品は売ってはいるのですがあまり豊富な品揃えではありません。
スポーツバイクのお店
ロードの主なお店としてはスペシャライズドの直営店とトレックの直営店が主です。そしてこの2社においては10%ぐらい日本より価格設定が安いです。(今はすでに円安で同じになってしまいましたが)
そのためこの二台米国巨頭の自転車乗りが非常に多いです。
SRAMも割と普及しています。
欧州ブランドのバイクは日本と比べると少なく、ジャイアントもかなり少ない印象です。
このため欧州ブランドの自転車を具となれば取り寄せしか存在しないし、タイヤ銘柄をいろいろ試す事も難しくなりますし、ライトやサドルバッグといったものも店頭で吟味しながら買うと言った楽しみは失われます。
キャノンデールやビアンキですらレアに感じます。
⑤韓国のイベント
韓国にもブルベ団体やヒルクライムやレース、トライアスロンなどの大会があります。
しかしながら私がきてからコロナが始まってしまったので参加できずにいます。これらに関しては参加ができたら追記していこうと思います。
開催されたブルベについてお話しします。
韓国では複数の団体があるわけではなく1つの団体のみです
その中で7つの地域担当がいてそれぞれの担当の地域を作っている状態です。
コリアランドヌールのホームページから参加申し込みをして銀行で振り込む形を取ります。
詳しくは次週の特集で記入します。
⑥自転車の乗り方の違い
文化の違いなのか自転車の乗り方が異なります
日本と比べると淡々と単独で走る人が少ない傾向が見られます。
多くの場合小集団をいくつか形成して走行することが多いです。
仲間意識を持っている人が多い印象です。これらは上記の出府の練習会なども多いので、集団走行に慣れている感じです。
ブルベ中でも高強度に走った後に長く食事で休む傾向が見られます。
特にコンビニで食事を摂ることはあまりしません。
日本に比べて食べ物は少ないし、田舎に店舗がないです。
SR600でも同様で仲間と時間を合わせて走行している人が多いです。
お隣の韓国ですが乗り方の行動パターンや思想は随分と違うものだなと感じました。