他者と交わる難しさについて

春は出会いと別れのイベントが同時にくる季節だ。特に学校では学舎から巣立つ人、学舎に入る人が交錯し、喜びと悲しみ、不安と期待が入り交じる。

僕は昨年、大学を卒業して、学校という場所から遠ざかっている。だけど、学校という場所は自分の中にどこか息づいている気がする。それは見る夢のほとんどが学校が舞台だからかもしれない。僕は学校を求めていないはずだが、無意識のうちに学校を求めているせいかもしれない。でも、学校という場所にそんなに良い思い出はない。
むしろ、嫌な思い出の方が多い。

小学生の頃は友人がゼロで、いつも1人だった。それが慣れっこになり、中学でも一人だった。中学では軽いいじめもあって、それにはずいぶん堪えた。それでも、学校には通い続け、不登校にはならなかった。そんな自分か高校生になると状況は一変し、とたんに友達ができたり、本当かともかく「イケメン」だと言われるようになった。僕はあまりの変化についていけなかった。「なぜ?なぜ?」と頭のなかで考えて、辛かった。良いことが起きすぎて逆に人間不信に陥ってしまい、大学ではまた一人になった。

僕は他人と関係を結ぶのに大変苦労する。たぶん、この先もその苦労はたえないのだろうと思う。それでも、友達がいないかわりに職場の人とはよく話す、世間のことや将来のことを。ただし、自分の心の深層に触れてこない範囲で...。

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