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此処、「錆色の木曜日」では詩を書いています。 この頁は詩の目録です。詩を更新する度この頁も更新します。 泳ぐ水蓮と歩く金魚の鉢から静かな夜に――――――――――――――――――――― 往 「、、だよ」―――――――――――――――――――― 往 かわいいこ――――――――――――――――――――― 往 半端な命で半端に生きる――――――――――――――― 往 いちばんのあなたへ――――――――――――――――― 往 ムーンサイド―――――――――――――――――――― 往
他人と話すとき目を逸らしてしまうのは悪癖と呼ぶべきなのだろうか 自分が傷つきたくなくて自分を守る手段を選ぶのは悪だと呼ぶのだろうか だいじなときほど喉で澱んで絡まった言葉だけが詰まって涙が先に出ることは卑怯なのだろうか 耳障りの良い歌詞とメロディーだけでその歌を慰めるみたいに口遊むのはつまらないのだろうか テストの成績を見せ合う空気が嫌いだった 皆でおんなじくらいの数字を見て安心したり貶めるのがどうしてそんなに愉しいんでしょうか 周りと違う意見を持った時に言葉を発することに
葉桜だけで空は埋まり、風に吹かれたあなたの髪が視界を遮る、ただ歩くだけで息がひとつひとつ奪われていきそうな程の五月のこと、あなたは仰ぐままで、しあわせだって言ったままで、足元にこぼれた花のひとつを救いあげるから、しあわせを諦めたあなたのその両手の中の死にかけの生命はあまりに美しいし、それとおなじような僕達の距離を守ろうとするあなたの嘘みたいな笑顔はあまりに透明でした。 夏の前触れみたいな熱が身体中に迸り、風がそれを撫でていく心地良さが存在する五月二十八日のこと、透明なあなた
花を茎から手折る時、僕は貴方が生きていると感じられて、僕は貴方の存在を理解する事ができるのです。と、彼は言い、落雷のような衝撃を私の頸に与えた。誰が何と言おうと、花にも頸があり、指があり、こころがあるのに、なんて容易く、私の身体は奪われてしまったのでしょう。摘蕾された私の子ども。簡単に奪い、簡単に我が物にし、簡単に飽きてしまう彼は、まあるくてやわらかい純真な膨らみに、とあるヒトの頬を憶い、手を伸ばして絡め取って行った。だいじなものを奪われる他者の感情に目もくれず、身勝手な愛情
やわらかくて、やさしくて、あたたかくて、おだやかで、まぶしくて、きらきらで、君があおが好きな理由が少し分かる気がする。あおい、それは幼い僕達の罪の鮮やかさを表していて、青春なんて貼り紙がある所為でそれを体験出来なかったら有っても無くても良い存在に 時間に なってしまう。あおい、海の欠片を君がすくい上げたその手の中に、どれだけ僕は乱反射しましたか。僕の頭痛がする度に、君の鮮やかな言葉がガラスの破片の様にちかちかきらきら輝きます。頭を強く打ったみたいに、大きな衝撃をもった君との出
地下鉄、私鉄、メトロ、泡を吹くように慌てて乗り込んで、地下に潜って窓に映る全部が水中みたいだ。ぐっ、と息を止めて居たくなる。時々見える蛍光灯、あれは僕らのはるか頭上に光を放つ太陽の生まれ変わり。乗客はみんな魚のどれかで、僕もグッピーあたりが良い。可愛がって貰えるし。 一生懸命歩く魚たち、一体貴方たちは何処へ何の目的で歩いているんですか。ヒレを休ませる場所が欲しいんですか。頼むから僕の目の前を波を揺らがすようにずけずけ歩くのは止めてくれないか。魚たちは喋らない。呼吸をするのに必
「音楽は嫌いだ。 生まれた時から音という物体がこの耳にこびりついていて、 音を楽しむという現象が生まれつき本能に遺されていて、 生まれた瞬間から僕という定義に一生付き纏ってくる感じがするから。」 「音楽を創った奴は全然偉大なんかじゃない、 知っているだけで識らなかった事を分解して、 都合の良いように楽しむと組み替えて、 人類末代まで名前を知らしめて、 世間も人間もそれを才能だと囃すから。」 「音楽を嫌いな奴は周りの何処を見ても見当たらない。 365日24時
有刺鉄線の張り巡らされたフェンスの向こう、草ばかりの道端には古い潰れた空き缶が転がっていて、フェンスのこちら側には潰れた煙草の吸殻が落ちていて、それが歩けど歩けど続いていて、夏にはパピコの片割れが中身を少し残して死んでいて、そうやって季節が死んでいく。茹だるような熱気と共にあの夏を傷ごと焼き殺してくれるから煙草は好きです。沢山の灰をゆっくり時間をかけて自分にも馴染ませて、傍から見たらただのゴミみたいな季節のひとかけらをだいじにだいじに 或いは諦めたように胸に置き、今日もただ日
夏、って単語には沢山のイメージが広がっている気がする 夏の風物詩のラムネは絶滅危惧種になるそうだ、 ラムネが夏じゃないといけない理由ってあったのか。 みんな夏が好きなのは夏が楽しいってイメージが広がっているからだ、 絶滅危惧種のラムネ、 街の灯りとは違う夏祭り、 光を弾くコップの水面、 歯が痛くなるアイスクリーム、 焼けたような熱いコンクリート、 地上に落ちた太陽の向日葵、 薄着で触れ合う誰かの肌、 夏季限定一週間のみの蝉、 赤がきらめく海原、 暗闇
夏の向日葵の、太陽に向かって背筋を伸ばし顔を上げて育つさまがすき 夢を目指した探究心の塊の君を彷彿させる向日葵 黄色に弾ける花弁がうっすら青空を写して美しく咲き誇っている ああ、 君が 君で 君を 君は 君に 君だ って向日葵が話している。 向日葵が 誰が植えたかも知れないただの向日葵が 君の事を話していて、僕と君が2人で見た向日葵の事を話していて、君も僕もこの向日葵を忘れる事を話している。 どうせいつか忘れちゃうのに、まるで約束は永遠だよって言うみたいに そんな無責
こういって比較的勝手だと思う、好意、行為、厚意、高位、更衣、校医、スクールカウンセラーの先生はいつでも保健室で「待ってるよ」とだけ言うばかりで先生の方からは来てくれませんでした、「君が好き」と言ってくれた誰々くんの事を好きじゃなかったけど御礼を言ったら家までついてくる自称ナイトになってました、厚意と懇意って言い間違える人多いよね、これだけしてやったのに全部仇で返しやがってって殴ってくる人が居ましたがそいつはどっかの誰かさんと結婚して子どもまでいやがりました、衣替えになっても長
予定とか、約束とか、明日とか、本当にどうでも良かった。 友だちも意味が無い。その当時友だちだったとしても、どんなに一緒に移動教室に行ったり、プリクラを撮ったり、お揃いのアクセサリーを買ったりしても、学校が、環境が変われば、時間が経てば、それらは全部が無意味になるし僕らは知り合いよりは気が知れている程度の他人になるし、思い出が時間を越えることは絶対に無いから。 いつか海に行こうね、とか、今度このケーキ食べようよ、とか、最近も変わりない?とか、すごいね!応援してるよ!とか、落
最近聴き始めた音楽を鼓膜で震わせている 踏んだことの無い土地の地面を静かに蹴っている 風が吹いたらあれしようとか考えてた事も吹っ飛んできっとこの何時間かが何でもないまま横を通り過ぎると思うから のぼりが揺れる程度のそよ風なんかよりもっともっともっと自転車が倒れるくらいの強い風をじっと待っていた 臆病でこそこそしてた筈の雲もやがて太陽と手を繋いで歩き始める 発車ベルの1分前迄車両沿いにホームの黄色い線をひたすら歩いて行くか留まるかを繰り返し ベルが鳴ると同時に風が吹
何かすると忘れる 忙しいと忘れる だいじなことなのに、だいじにしている日なのに 別のことをしたり思いついたりするだけで脳みそはそれを忘れてしまって 良く出来ている 一瞬だって頭から離したくないのに意とは裏腹に物体はとても良く出来た信号を送ってこんな簡単に忘れさせる 言葉を口から出すとその度水のままだった記憶が氷の塊になって輪郭を帯び、器から零れてしまいそうで嫌だった 「※○△□✕」なんて言えないなって 本当にしたいことを忘れたフリして違うことをして時間をや