2020年4月:世界倒産図鑑

(総論)

テーマが秀逸だった。世によくある本はいかに成功したかに焦点が当たっていることが多く、成功には運要素も多分に含まれてるはずなので自分が吸収して再現出来るかというと難しいものが多かったように思う。一方失敗を避けることは再現しやすいので参考になる。

(印象に残ったこと)

・売上は七難隠す

売上は全てを癒す、とも言われるもの。自分のこれまでの捉え方は、売上伸びれば万事OKというプラス方向に捉えていたが、そうではなさそう。倒産する段となると、これまで売上増で隠せていたものからボロが出てくる。技術革新や市況の変化は必ず起こるので、売上が無限に伸び続けることを前提に考えるべきではなく、つまりは売上増で一時的に隠れる会社の課題は、必ずいつか表面化する、隠さず都度解消に向け尽力すべきと感じた。

・イノベーションのジレンマは多い

デジタル化を検討したり対応を始めていたものの賭けきれず、既存の売り上げ構造のまま徐々に死んでいくというものが複数例あった。これまで成功したものがありそれを守っていれば当面は困らない状態であれば、自分でもそう選択してしまう。そう考えると、iPodの市場を壊してまでもiPhone出したAppleすごいなと思ったり。守るものが少ないベンチャーこそここで力を発揮しないといけないと再認識。

・勝ちパターンは変わる、常に一歩引いた眼で

スーパーやレンタルビデオの多店舗展開などそれまで間違いなく有効だった戦略も、技術革新や景気、顧客志向の変化などで、無に帰す。おそらく仕事に一生懸命になればなるほど、引いた目線にはなれない。人材の流動性を確保しないと、企業が引いた目線を獲得するのはなかなか難しいだろうおt感じる。

・意外に不正が多い

この本の意図としては不正を倒産要因とはせず、不正を作ってしまった要因に焦点を当てているが、そもそも結構あったのが衝撃。不正の機会、動機、正当化、は与えてはならない。どの道死ぬ会社であれば、大人しく死ぬべき。

・前金ビジネスの落とし穴

資金繰りの観点で前金は神と思っていたが、必ずしもそうとは言い切れなかったNOVAの事例。たしかに先に金もらっていたら、カスタマーサポートのインセンティブは皆無になる。評価制度とセットなのかもしれない。

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