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米の利上げで日本にどんな影響があるか

※2017.8.4 のメモを転載

「利上げとは、、、」の続き。


さて、リーマンショックからの復活に向けて少しずつ金利を上げている米(FRB)ですが、米が利上げをすると日本にどんな影響があるのか。
もっとも大きな影響は 「ドル高 円安」 です。

なぜか。

金利が上がるということは、、、
お金を貸す人(例:投資家)にとっては、もらえる利息が増えるので、米国に投資をしようという理由になるからです。

例えば、あなたが色々な国に資産を持っているお金持ちだとしましょう。
これまでは米の金利が低かったので、

・少しくらいリスクがあっても金利の高い新興国に投資しよう
・どうせ利息がもらえないなら、しばらく利息は諦めて、安全資産の円(日本)に投資しておこう

という判断をしていたわけです。


それが、米の金利が上がるとなると

・リスクの高い新興国よりも、世界最大の経済規模を持つ米に入れておいた方が安心だ。
・利息がもらえないのはもったいないから、円に避難させるのをやめて、米にお金を入れよう

となるわけですね。
その結果、世界的にドル高が進むことになります。

日本 対 アメリカを見てみても、世界の投資家が日本に入れていたお金を米に移すわけなので、「円安ドル高」になるんですね。
日米の金利の差が広がれば広がるほど、この流れは顕著になります。

そうして円安になると、、、
日本の輸出企業が儲かるようになります。
日本は自動車を筆頭に輸出で儲けている国なので、日本の景気が良くなります。
なので、いまの日本にとっては米の利上げは良いことなんです!!

、、、というのが、ざっくりとした教科書的な(官僚的な)説明。
実際はこんなに単純ではないですが、この原則が分かっていないと正しい予想ができないので、ここはしっかり理解しておきましょう\( ˙Ο˙ )/

じゃあ、なぜ実際は単純じゃないのか。

実は、FRBも突然利上げをするわけじゃなく、事前に利上げを匂わせてから実行に移します。
(突然やると市場がびっくりして無用な混乱を産んでしまうので。)

FRB「利上げしたいなーー」
FRB「利上げするかもよーー」
FRB「みんな利上げに賛成してるよー」
FRB「そろそろ上げるよーー」
FRB「いくよーー」
FRB「心の準備はいい??」
FRB「はい、上げます!(利上げ)」

って感じなので、利上げを実行する頃には投資家たちは先回りして動いていることが多いんですね。
なので、実際ここ数回の利上げのタイミングでは逆に「ドル安 円高」に動いてるケースが多いです。
結局、経済なんて投資家たちの心理戦で動いてるんですね。

なんか長くなってしまったので、今回はここまで。
次回は日本の事情にフォーカスしてみます。

「金利操作」と双璧をなす、金融緩和のもうひとつの柱「量的緩和」についても触れますよー

おわり


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